SWAクリエイティブツアー



柳家喬太郎「任侠流山動物園」(白鳥)
林家彦いち「自殺自演」(昇太)
 (中入)
三遊亭白鳥「全身日曜日」(彦いち)
春風亭昇太「火打石」(喬太郎
 (7/26・紀伊國屋サザンシアター/後のカッコ内は作者)


いつの間にか開いてた舞台に私服姿の昇太が登場、今回の企画について説明。かつて夢枕獏の著書「楽語」のためにそれぞれが書いたネタを交換とのこと。この本持ってるけど読んでないので、実際に演ってる「流山」以外は内容を知らず。
「誰が白鳥ネタを演るかで揉めまして・笑」との通り、一番に上った喬太郎は心底やりにくそう(笑)こんなことやりたくねえ!というセルフ突っ込み部分が一番受けてた。続く彦いちによると、袖の白鳥さんは「やっぱり柳家だなあ」とつぶやいてたとか(動物の仕草のことか?笑)最後の浪曲部分はさすがに上手く、サゲを省略してそのまま終わり。私としては、あんなによく出来てる話なのに色々勿体無いと思ってしまった。
「(兄妹ものから)師弟ものに変更した」という彦いちの枕に円丈ネタ。いかにも昇太らしいストーリーやセリフを自分らしく上手くまとめてて、その器用さに感じ入る。


白鳥さんは円丈仕込みの荒技「冒頭あらすじ紹介」で彦いちの文章を朗読。「こんなファンキーな力技、自分には出来ない」と、言うなれば「火焔太鼓」方式?で完全に作り変え。とても良かった。小道具に、以前二人会で観た鶴笑さんの「パペット落語」を思い出す。でも白鳥さんの「足」は両方右足!(笑)
最後の昇太が枕でいわく「他人の『新作』を演るのは作者の頭の中に入っていくようで面白い、まるで『マルコヴィッチの穴』」。花緑さんのSWAカバーの会の際にも思ったけど、聴いているこちらも、演者が変わることで、作者の頭の中をあらためて探検するような面白さを味わえるものだ。
照明が落ちて本編へ。昇太によると「本のためだけに書いたようで、演ることを考えてない・笑」という内容。でもさすがに楽しく見せる。正直、喬太郎の新作の「ロマン」部分にはどうにも馴染めないんだけど、後で同居人が「喬太郎には、昔のそれこそ「少年ドラマシリーズ」なんかの影響を感じる」と言うので、世代の問題でもあるのかなと少々腑に落ちた。


近くに全く笑いの途切れない女性がいて、正直少し耳障りだったんだけど、最後に4人が出てきた時にちょこっと手を振ってたのには共感した。誰もしてないから恥ずかしくて出来ないけど、落語会において楽しい時って、拍手だけじゃなく手を振りたい気持ちにもなるんだよなあ。