道楽亭寄席 柳亭こみちネタおろしの会


古今亭志ん坊「不精床」
柳亭こみち「動物園」
柳亭こみち「植木のお化け」
 (仲入り)
柳亭こみち「くしゃみ講釈」


前回よりお客さんが増えて、みっちり満員。こみちさんも(前回に比べて)リラックスした感じだった。


店のドア一枚へだてて盛り上がってる新宿二丁目祭りについて、何か言うかなと思ってたら、前座の志ん坊さんいわく「共通の趣味を持つ人たちが集まってるようで」。落語家の同性愛(的なもの)に対する姿勢って、全くの異世界を外から見てる感じ、「オモシロ」「ちょっと怖い」的扱いが多い。「一般的」な所に根差さないと笑いが取れないからかな。
「うちの師匠は前座のうちはネタを増やさず、前座噺をきちんとやりなさいという主義」との言葉通り、きちんと明るい「不精床」だった。


こみちさんが高座に上り、ネタ下ろしの二席。「落語ファンの方々は、その噺家なりの味付けを期待するものでしょうが、そういう部分はまだありません・笑」。でもどちらも彼女らしかった。
噺家は毎日が就職活動みたいなもの」(お客や主催者に見限られたらおしまいだから一瞬一瞬が勝負、というような意味)…何かと思えば久々に聴いた「動物園」。ライオンの仕草に自信がないようで自虐的に笑いを取ってたけど、じゅうぶん出来てた。
次いで円朝祭りの裏話から、「植木のお化け」について説明し、本編へ。隠居の屋敷に枯らされた植木の霊が出るというので見物に行くと、続々とお化けが出てくるという噺で、豪華な鳴り物入りで唄いどおしの、こみちさんならではの一席。恩田えり師匠と志ん坊さんが真後ろで演奏してくれるので、とくに太鼓が鳴るたびびくっとしてしまった。幽霊噺だからそれでいいのか(笑)


帰り際「(くしゃみ講釈について)研精会とネタかぶってごめんなさい」と声を掛けられてびっくり&嬉しかった(この会でチケット買ったのを覚えていてくれた)。今回の「くしゃみ講釈」は「のぞきからくり」の説明が入るなど所々変わってたし、何度目でも楽しかった。