書きこぼし



新宿ピカデリーにて「パブリック・エネミーズ」。かっこいいシーンはたくさんあるけど、あまり面白くなかった。長丁場なので、デップ早く死なないかな〜と思いながら観た。
冒頭、銃を撃つクリスチャン・べールの顔を下からあおったカットがとても良い。口のはしがめくれて。デップの方は、久々の再会となる女を迎える車内での表情が良かった。
デップと女の馴れ初め。移ったばかりの寒々しい部屋に用意された、プレゼントの箱。中には高価なコート。仰々しい音楽が流れて、二人は恋人同士に…みたいな感じなんだけど、物で釣るのがどうという意味でなく、そんなに大層なシーンかあ?と可笑しくなってしまった。


実話を元に制作された「誰がため」。舞台はナチス占領下のデンマーク。地下抵抗組織に属するフラメン(トゥーレ・リントハート)とシトロン(マッツ・ミケルセン)は、ゲシュタポナチスに寝返った者を次々と手に掛けていた。しかしふとしたことが切っ掛けで、組織に疑念を抱くようになる。
ロケ地や調度品がすてきで、悲惨な現実を淡々と描きながらも、雰囲気はわりとロマンチック。「相棒」である主役二人の風貌にふと、森川久美日中戦争前夜を描いた「南京路に花吹雪」を思い出してしまった(笑)
フラメン(リントハート)が心惹かれた女に地下組織に加わったいきさつを話していると、彼女が、エピソードの中に出てきた「身を隠していたユダヤ人女性」について「恋人だったの?」と聞くのが、リアルで印象的。