ショー・ミー・ラヴ



1998年作(ASIN:B00005HPKZ)。
スウェーデンの田舎町。1年半前に転校してきたのにいまだに友達ができない16歳のアグネスは、2つ年下のエリンにひそかに思いを寄せていた。エリンは可愛くて皆の人気者、だけど内心「outなものしかない」この町にうんざり、毎日退屈してる。
ひょんなことから親しくなる二人だが、周囲の目やあれやこれやで、そうそううまくはいかない…
他愛ないお話なんだけど、個々のエピソードがとても印象的で、たとえばエリンが、洗面所の鏡じゃスカート履いたお尻がどんなだかよく見えなくて(この、ぴょんぴょんする気持ち、とてもよく分かる(笑))、仕方ないのでマンションのエレベーターの鏡で確認しようとしたら、お姉ちゃんがスカート持ってきてくれなくて、パンツ一枚のとこをママに見られてしまう、とか。そのママとエリンが、ソファで宝くじの当選番組を観るシーンもいいな。
エリン役の子は初めて見たけど、アグネス役のレベッカ・リリエベリは「ベアーズ・キス」のあの女の子です。黒谷友香が若干ケツアゴになったようなカンジ、だと思う…
二人の他はほとんど素人を起用したそうだけど、皆の顔見てるだけで面白い。エリンのグループにいる眉の薄い女の子なんて、そうそうこういう子いるよな〜と見惚れてしまった。ヤなやつなんだ。エリンのお姉ちゃんとその彼氏のアホっぽいカップルも味わいぶかいし、アグネスの弟も可愛い。
エリンに惚れてるヨハン君は素朴というか、ちょっと頭がよろしくなくて、女の子がトイレで吐いてるとこにやってきて「君は世界一美しい」って、そりゃあトイレのタワシでもって拒絶されても仕方ない(笑)
皆、ほんとにしれ〜っとしてるんだよなあ。自分のことで一生懸命で。10代のころってそんなもんかなあ。


北欧映画というとまず見てしまうのがインテリア。あまりハイセンスじゃないから、私としては親しみが湧くんだよね…(笑)
観てる作品が偏ってるのかもしれないけど、大抵せせこましい家で、原色の家具がバンバン置いてあるのに、なぜかちょっと侘しく、そして愛らしい。このへんはカメラの具合もあるのかな。
この作品に出てくるのも、いかにもくつろげそうな部屋ばかり。女の子の間ではディカプリオがブームのようで、皆写真貼ってるのが可笑しい。アグネスの部屋には「カサブランカ」のボギーのポスターもあったりして、シブい趣味だね…
音楽もとてもキュートで、車のラジオから流れるフォリナー以外は全然知らないスウェーデンポップスなんだけど、90年代ぽくて(90年代の映画なんだから当たり前だ)、サントラ欲しくなっちゃったけど、日本じゃ出てないみたい…


最後、二人はトイレの個室で気持ちを確かめ合うのですが、女の子同士でトイレ、私もよく入ったなあ。といってももっと子供のころ、小学生のころだけど、そのへんの子と一緒にトイレ入って、用足すの待ち合ったものです。以前某所で話したことあるんだけど、皆やってたと思ったら、そうでもないんだね…
(これに関しては、たぶん、自分は、トイレというものが、他人より日常に近いところにあるんだと思う)