瞳を閉じて


きのう、深夜にテレビをつけたら、映画「タイム・アフター・タイム」('81/ASIN:B00006C225)をやっていた。19世紀末、マルコム・マクダウェル演じるH.G.ウェルズ(あのウェルズね)はタイムマシンを発明。しかし切り裂きジャックがそれを盗んで逃亡、ウェルズも後を追い1979年のサンフランシスコへ…というお話。地上波でたまに放映してるので、3回くらい観たかも。
未知の時代・土地で「大きな迷子」を演じるマクダウェルがキュートで、彼にひとめ惚れするエミー(メアリー・スティンバーゲン)でなくとも胸キュンしてしまいます。「ロンドン銀行」みつけて意気揚々と入るシーンとか、マクドナルドで前の人のマネしてビッグマック頼んだあと、「…and, tea」と付け加えちゃうシーンとか、可愛いんだ。


エミーの家を訪れたウェルズは、食事を終えてソファへ。男と女がいればそこは自然の成り行き、顔と顔とが近づいて、キス…ということになるのですが、
「君は、目を閉じないんだね」(英語で何と言ってるかは忘れた)
自分も目あけてるから見えるんだよ〜というのはさておき…エミーは銀行で為替窓口をまかされている「キャリア・ウーマン」。ウェルズは日頃から「未来は戦争も差別もなくなり、男女同権になっているはず」と公言してたのですが(だからタイムスリップして、殺伐とした現実に愕然とする)、実際に仕事を持って自立した女性に出会うのは当然ながら初めて。
目を閉じたキスもいいけど、目あけてると、より能動的に「味わう」感があるっていうか…だから、このセリフは、積極的な女性に遭遇して戸惑うやら嬉しいやら?な彼の気持ちを表してるようで、印象的だ。
まあどのみち、その後エミーはウェルズにのしかかってしまうんだけど(笑)
へんな話だけど、キスの話じゃないんだけど、一方が目開けて見てて、一方が目閉じて見られてる、というのって、それはそれで、だからこそ面白くもあるんだけど、たぶん、互いが感じてる世界は全然違うよね。なんかもどかしい言い方だけど(笑)そりゃあそうやって見てたら、女を「征服した」感を持ってしまう、心を開いてくれてると思ってしまう人がいるのも、致し方ないっていうか…
実際は目閉じてることで、却ってそういう(自分を預けてるという)感覚、なくなっちゃうんだけどね…自分の場合は。


話は映画に戻って。
時間を越えた男女のアレコレというので一番に思い出すのは、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でマーティが過去へタイムスリップ、自分の母親のロレインにパンツ見られるシーン。
「あなた、カルバン・クラインっていう名前なの?」
この場合は、たとえ50年代でも、アメリカの女のコは積極的だというハナシかな…
(ちなみに、「タイム〜」のメアリー・スティンバーゲンはBTTFのパート3に出てるので、ちょっとつながりが)