スパイダーウィックの謎


双子のジャレット、サイモン(フレディ・ハイモア二役)と姉のマロリーは、両親の別居を期に、母が受け継いだスパイダーウィック家の屋敷にやってきた。しかしジャレットが隠し部屋で見つけた「妖精図鑑」が原因で、悪の精たちと戦うはめに。



内容を知らずに観たところ、一人のおじさんの研究のおかげで子孫がトラブルに巻き込まれるというこじんまりした話で、宗教色もなく、壮大なファンタジーが苦手な私の嗜好に合っていた。出てくるのは身内だけ、しかも彼等の分かりやすい「関係」が物語をカタチづくる。それにしても、「生きた証」にこだわるやつってほんとに迷惑だ(笑)


屋敷を中心とした「結界」に悪い精は入ってこられない=立てこもり、という前半部分がまずゾンビ映画のようで面白い。食糧足りるのかな、などと思ってしまう(実際には数日間の話なのでそんな問題は起こらない)。
後半は、普通の子どもたちがバタバタしながら悪い精をやっつける。最後の戦いでジャレットは冴えたところを見せるけど、そのアイデアは「リトル・ニッキー」のオチと同じ。大仰でなくて楽しい。


小学生の頃の一時期、占い雑誌?「マイ・バースディ」を買っていたことがある(そのため、朝のテレビ番組の「占い:エミール・シェラザード」というテロップに今でも反応してしまう)。少女漫画ぽい「妖精」の絵や、彼等を「呼び出す方法」なども載っていたものだ。作中、ジャレットがシンブルタックを呼び出すために、小さなカゴ?にベッドと枕にふとん、クラッカーと好物の蜂蜜を用意する場面では、そうした子どものころの夢想を思い出してぐっときた。
登場する(「悪役」でない)精たちが、小奇麗でなく、賢いわけでも主人公と信頼関係を結ぶわけでもなく、結構好き勝手にやっているところも好みだった。


監督は「フォーチュン・クッキー」「ミーン・ガールズ」のマーク・ウォーターズ。脚本の「ジョン・セイルズ」はあのジョン・セイルズ?そんな組み合わせなら面白いはずだ〜。