ラスト・マップ


ラスト・マップ / 真実を探して 特別版 [DVD]

ラスト・マップ / 真実を探して 特別版 [DVD]


「Around the Bend」がこんな邦題になってたなんて。新作コーナーに並んでたの、見逃すとこだった…


(以下の文章は、映画の結末に触れています)
銀行員のジェイソン(ジョシュ・ルーカス)と、その息子でまだ幼いザック、元考古学者の祖父ヘンリー(マイケル・ケイン)が暮らす一家に、30年間行方不明だった父親のターナークリストファー・ウォーケン)がやってきた。ところが突然ヘンリーが死亡。その遺言に従い、男三人は連れ立ってアメリカ横断の旅に出る。



マイケル・ケイン演じる元発掘屋のヘンリーは、奔放でお茶目な老人。彼の遺言とは、各地のケンタッキー・フライドチキンをめぐりながら、とある目的地めざして、自分の遺灰を撒く旅に出よというもの。なぜケンタッキーかというと、四世代での最初で最後の晩餐の場所が、彼お気に入りの近所のケンタだったから。そのため残された三人は、クリストファー・ウォーケン演じるターナーなんてベジタリアンなのに、カーネルおじさんを訪ねて長い長い道のりをゆくはめになる。
ウォーケンは、かつて妻子を捨てたきり行方不明になっていたという設定なんだけど、登場シーンの仁王立ちが可笑しくて(べつに笑えるシーンではない)、髪もいつものように逆立ってて、ありがちといえばありがちなキャラクターなんだけど、まあ良かった。
お茶目老人のヘンリーがひ孫の乳母の寝室をのぞいたりとか、ウォーケンのダンスとか、私にとっては少々わざとらしくって、趣味じゃないとこもあったのですが、落ち着いた話にコンパクトにまとまっており、面白く観られました。
5、6歳の息子のザックを演じた男の子は、すごく可愛くて、沢口靖子に似てました。旅の途中、彼が「家へ帰りたい」と言うんだけど、観ていた私もちょうどそのころ「そろそろ帰っちゃどうか」と思ってたんで(また居心地のよさそうな家なんだ)、不意を衝かれてびっくりしてしまった。


あと、ほんとに単純な感想なんだけど、サー・マイケル・ケイン本人も、いつか亡くなる日がくるのか、なんて思ってしまって、ちょっと寂しかったな…


それから、(上でジュニアシニアのアルバムあげてるのが偶然だけど)ザックの乳母はデンマーク人で、祖国にはこういう映画がないから、と言って毎晩ホラー観賞に精を出してるんだけど、作中彼女が観てるのは、何か有名な作品なのかな?私はホラー観ないのでわかりませんでした。女の子がキャーと言うと、お母さんの首がスパッと切れるの。


ところで、話はかなりそれて、私が小学校にあがるかあがらないかぐらいの年齢のころ、えらくはまってたのが、「今日はなんの日」という絵本(絶版じゃないはずなんだけど、検索でみつけられなかった。タイトル間違えてるのかな?)。女の子のとあるお遊びを描いた一冊で、帰宅したママに、はいコレ、と一枚の紙切れを渡す。たとえばそこには「いつものメヌエットをひいて」と書いてあり、それに従ってピアノに向かうと、鍵盤に次の紙がはさんであり、そこには「お茶を飲んで」と書いてあり、カップを取りにいくと、また次の紙がはさんであり…という具合に、指示をたどらせるの。現在私は両親と同じ仕事に就いてるわけだけど、一時期ほぼ毎日、帰宅するなりこんなことにつきあわされてた当時の母の苦労をしみじみ思ってしまう…(笑)
この映画みてね、久々にそんなことを思い出したり。