週末の記録



恒例の浅草寺ほおずき市へ。
大雨の予想が随分晴れて、かなりの人手だった割には、いつものお店もどこもかしこも、ほおずきがあまり売れておらず、気になった(賑わいの多くが外国からの観光客なので、持って帰れないから買わないんだろう)。文扇堂のうちわもまだたくさん積んであった。同居人が「(付き合い始めてから)毎年来てるから『定点観測』の楽しみもある」と言っていたけれど、実にその通り。これからどうなるのかな。


フィルムセンターで10日まで開催されていた、「写真展 映画館」に滑り込み。
会場内に、新宿ミラノ座のペアシートと銀座シネパトスの椅子が向かい合わせに置いてあったので、しばし腰掛てみる(前者はよく使ってたから、座ったことあるやつの可能性が高い!)。一度行ってみたかったドライブインシアター大磯と、その隣の、噂に聞く、雪が迫った高田世界館の写真をしげしげと見る。


ついでにEUフィルムデーズのクロアチア映画「カウボーイたち」を見たんだけど、英語字幕だったのでくたびれてしまった(意味の分からないところも多々あった)。「俺はhomosexualだけどfagじゃない」という字幕には、クロアチア語にもそういうニュアンスの言葉がやはりあるんだ、何て言っているんだろうと思う。
内容は故郷に帰った演出家が素人を集めて西部劇のミュージカルを行うというもので、「中味」は違えど色々な国でありそうな映画。「人生はつまらないが西部劇は違う」、でもそれは一人じゃできなかった。西部劇の「あの扉」のアップかと思いきや、枯れた畑の中をゆく車の空撮というオープニングが楽しい。


シネスイッチにて、「フィレンツェメディチ家の至宝 ウフィツィ美術館 3D・4K」。
暑い中をうろついてお昼を食べた後だったこともあり、冷房の効いた所で座った途端、コーヒーじゃ追いつかないくらいの眠気に襲われてしまった。また「案内役」のロレンツォ・デ・メディチ(サイモン・メレルズ)の話がつまらない上に長く、おまけに彼が喋ってる場面にも「3D効果」を感じさせるためのあれこれが施されているもんだから、わずらわしくて、気が遠くなりそうだった。


「美術館」の起こりについての話から、ようやくカメラはウフィツィ美術館へ(ただしそこに留まりはしない)。一カ所やけに「面白い」撮り方をしている箇所があり目が覚める。特別な処理?により、飛び出す絵本のように見える絵画の数々よりも、ボッティチェリの描いた植物のアップやダビデ像の筋肉のアップが鮮烈だった。最後に取り上げられる作品が、フィレンツェ芸術院初の女性会員(とだけ紹介されちゃうよね、一言じゃ)アルテミジア・ジェンティレスキの「ホロフェルネスの首を斬るユーディット」だというのは何とも心に残った。