落語研究会 昭和の名人 四



シネマ落語の第四弾を、東劇にて公開初日に観賞。「高津の富」にちなんで「富くじ」企画をやっていた(写真・残念ながら外してお菓子をもらう)。
今回のプログラムは、笑福亭松鶴「高津の富」/柳家小さん「試し酒」/三遊亭円生「猫忠」/桂文枝「猿後家」。


今回は上方勢が二人、私はどちらも未知。松鶴のパートの冒頭、この企画では初めて公演前の客席の様子が映り、熱気が伝わってきた。モノクロ映像というのも初めてだけど、全然「古い」感じはせず。江戸の「宿屋の富」の主人公はちょっとふざけてみたという感じだけど、こちらでは本当に「騙し」てる風なのが面白い。どの部分もたっぷりだけど、「二番」男の妄想に、いわゆるベッドイン?の描写は無し。
小さんの「試し酒」については、後で同居人が「ぺちょぺちょ音がするのが汚らしくて嫌」と言っており、実は私もそうで、名人芸といえどもそういう好き好きはしょうがない。枕であたりを「ねめまわす」感じが印象的だった。
「中入」後に円生の「猫忠」、この日はこれが見られただけでもよかった。枕において、飲んだお茶っ葉が付いた歯を拭ったり、サゲの部分に関係する町名話の面白いところで自分で笑っちゃったり、なんてチャーミングなこと。とてもリラックスして(見え)る。余裕綽々の猫の「芝居」の後、「大きな猫が気取りやがって」とすとんと落とすのもいい。ああいうの真剣に扱われると重い。
文枝の「猿後家」、私の知ってるこの噺は志の輔のくらいだけど、とにかく「揉み手」のすごさにびっくり(笑)上方色があまりに濃くて、同居人は何を言ってるか分からない所が多々あったそう。