落語研究会 昭和の名人 参


シネマ落語の第三弾。プログラムは、桂吉朝「不動坊」/三遊亭円楽助六伝」/古今亭志ん朝三方一両損」/金原亭馬生鰍沢」。
東劇は入替無しなので、適当な時間に行って、円楽の部から観る。今回もとても楽しかった。


円楽は同居人いわく「テンポが悪くて苛々する」のも分かる(笑)けど、愛嬌がある。最後の独白の場面では、やはり涙が光っていた。
志ん朝の「三方一両損」は音源で聴いてたけど、内容が違うのか、何なのか、面白すぎてびっくりした。私がこの噺を好きだからというのもあるかな。
馬生の「鰍沢」も最高。ずっと羽織を脱がず。私の知ってる他の演者に比べてシンプルであっさりした内容なんだけど、要所で大熱演。卵酒の描写にはいかにも酒飲みらしさを感じ、可笑しかった。
最後が初体験の吉朝だったわけだけど、彼の部だけ平成の映像ということもあり?吉本新喜劇を観てるみたいだった(「お笑い」に近い、という意味)。私が唯一知ってる上方の(元の)「不動坊」である枝雀のとほぼ同じ形なんだけど、すごく現代的。「鉄瓶」に「かんぬきを掛けて…ってどっから出るんだ!」のくだりとか、今考えたら不思議なくらい爆笑してしまった。上方では、お滝さんが自分の方から「結納金として35両くれる方」をはっきり求めたり、幽霊役の講釈師に企みに加わる「理由」があったり、登場人物が皆現金なのがいいなと思う(笑)