柳亭こみち ネタ下ろしの会


柳亭こみち権助魚」
柳亭こみち長屋の花見・おかみさん編」(三遊亭白鳥・作)
 (中入)
柳亭こみち祇園会」


今回はゲスト無し。ネタ下ろしは、月半ばの白鳥さんプロデュース「Woman's 落語会」に向けての「長屋の花見・おかみさん編」。古典と新作じゃ、同じネタ下ろしでもすり減らす神経が全然違うんだそう。冒頭「こういう私を期待していない方はご辛抱を・笑」。
権助魚」のマクラが、今更ながら大桃美代子麻木久仁子の話だったのでびっくりした(笑・こみちさんは前者に好感持ってるそう)。メインイベントを終え、中入後はリラックスした様子で遠方での仕事の話をし、旅に関する本編へ。


白鳥作品を他の噺家が演ってるのを観ると、一皮、ほんの薄皮を剥けば彼がそこにいるみたいに感じる。この日もやっぱりそうだった(笑)
白鳥版「長屋の花見」は、女房の側も揃って花見に出掛けるというもの。あんな貧乏人達に女房がいるなんてピンとこないけど(作中「江戸じゃ『女が余って』るんだから」との言い間違いアリ・笑)、白鳥さんのことだから、「『長屋』の昭和版の、さらに改作」と考えるとしっくりくる(笑)
例えば白鳥版「寝床・改」は長屋住人側のドタバタを描いたものだけど、あのパワーに比べたら、おかみさんたちがお喋りしながら出掛けるだけの本作は空っぽだ。「由来」ネタの数々は、私の大好きな「ねずみのようなもの」を思わせる。「明烏・改」ほどじゃないけど、終盤また「女の主張」が出てくるのは、彼なりの気遣いなのかな?
盛り上がらない割に長いなあと思いつつ聴いてたんだけど、元の噺だって今よく演られるのは短縮版だそうだし、中入後の「祇園会」だって前半と後半がばらばらだし、そういう落語もありなのかなあと思えてきた。