ディファイアンス


TOHOシネマズシャンテにて。土曜の最終回は満席でした。


1941年、ドイツに侵攻されたベラルーシユダヤ人狩りから生き延びたビエルスキ三兄弟(ダニエル・クレイグリーヴ・シュレイバージェイミー・ベル)。同じユダヤ人グループと合流を繰り返すうち、彼等は巨大なコミュニティをまとめることとなる。実話を基にした作品。


ディファイアンス ヒトラーと闘った3兄弟

ディファイアンス ヒトラーと闘った3兄弟



上映時間は2時間16分。年末年始の特別企画ドラマのような印象を受けた。「長かったけど結構面白かったね〜」というかんじ。
針葉樹の立ち並ぶ森の中、移り変わる季節の中、見苦しいほど汚いわけではない老若男女を率いた個性もバラバラな三兄弟が、バラエティに富んだ事件を乗り越えてゆく。
(ちなみに同行者の感想だけど、冒頭、登場人物が少ないときは身なりが汚く、話が進むにつれそうでもなくなっていく。画面中の汚さ密度の問題か・笑)
いつの間にやらひょこひょこ増えていく同胞、微笑ましい程度の対立など、とくに前半はユーモラスな雰囲気も漂っている。


公開初日の夜、劇場が満員だったのは「007」効果もあるのかな?実際私も「ダニエルの映画に行こう」と言われてこの作品のことを知り、観る気になったし。
はじめ、長男トゥヴィア役のダニエルがあんな(オメガじゃない)腕時計してる!と思ってしまったものの、その後は予想通り(笑)汚れたジャンパーも長靴もぴたりとはまり、違和感なく観られた。
リーダーとはいえトゥヴィアは完璧ではない。体力も知力も人並み以上だが、優柔不断な部分もある。戸惑う表情は、007シリーズではあまり見られない貴重な?ものだ。
終盤、どうしようもなくなってしゃがみこんでしまうシーンが面白かった。運よく、知らぬ間に育っていた弟が、皆を引っ張ることとなる。


こういう映画を観ると、あのコミュニティの中に自分が居たらどうだろう?とちょこっと考えてしまう。私なら特技も働く気もないから役に立たず、一人で出掛けて迷って凍死しそうだ(もっともすることがなければ、労働が娯楽になるかもしれない。「刑務所の中」の封筒作りみたいに)。またトゥヴィアとカップルになる女性を見て、ああいう類の「リーダー」の女になるってどういう感じかな、とも思った。よい悪いでなく、方向性を持つわけではない、ある種の感覚を得るはずだ。
またジェイミー・ベルの結婚式のシーンでは、ああした式を自らや仲間が必要とし、その結果を信じること、それが儀式の本来の意義なんじゃないかと思った。