俺たちフィギュアスケーター


私はフィギュアスケートをあまり見ない。たんに「見る理由がない」からだけど、あの肉色の下着(?)がどうにも受け付けられないからというのもある(自分も、例えばいわゆるババシャツの類は着ることなく死んでいくつもり)。この映画においても、ライバルペアによる「good vibrations・笑」の際の衣装など、腹出しと思わせての腹巻きに目をそむけそうになった。
(このペアの女性の方、貼りついたような笑顔が素晴らしかった。キャラクターは「ハイスクール・ミュージカル」のライバル役シャーペイを思い出した。あの兄弟が近親相姦してるようなかんじ)
(さらにどーでもいいことだけど、二人の邸宅は、おおやちきのスケート漫画「雪割草」に出てくる天才スケーターの家にそっくりだった)



冒頭、二人のキャラクター紹介の際にウィルが「競技前には革を…」と語るシーンで、「ズーランダー」のオーウェンがスティングの話をする場面を思い出したんだけど、その通り、ストーリーもセンスも似ていた。ライバル同士が手に手を取って、一般的に「男がやるとへん」と思われていることをがんばる。彼等独特のノリが延々と続くとツラいものがあるけど、結構単純なギャグの連発で楽しかった。


「男同士ペアのフィギュアスケート」については、一度目の演技のときから全然アリだと思い、感動すらしてしまった。世の中、根っからの「好き」「嫌い」以外は、要するに見慣れるか否かだ。淀川長治が観たら、どういう感想をもらすだろう?
ウィルの全身についた贅肉は、男子ペアのフィギュアスケートのセクシャルな魅力を嗅ぎつけられるのを恐れて、わざと太ったのではと邪推した(笑)