渋谷らくご



立川談吉「野ざらし
三遊亭遊雀初天神
昔昔亭A太郎「面会」
柳家三三粗忽の釘
 (11/8・ユーロライブ)


ユーロスペース内に新設されたユーロライブでの定期落語会「渋谷らくご」の初日初回へ。
昼席のチケットは13時より販売開始というので12時半過ぎに着いたところ、10分ほど押した販売時刻までに出来た列は20名ほど。開演時の客数は50名位かな?何せ「三日前に告知」したばかりだから仕方ない。
ステージには段差のある客席に合わせてかなり低めの高座、めくりの替わり?に演者名の投影(時折ちらちらするのが気になった)、緞帳は無し。キュレーターの方達による挨拶の後に開演。


談吉さんを間近で見るのはおそらく初めて。何て談志に似てるんだろう!と思う(立川流のもっと年嵩の人に対しても感じるけどそれ程じゃない、キャリアによりこなれるのか)。妙なもので「映画館」(の痕跡を感じる場所)で落語を観ると余計、ああ落語って男のものだなあと思ってしまう。端的に言って、映画なら「男といい女」の話だけじゃなく「女といい男」の話だってあるから。たまにはそっちがいい。
「いきなり『野ざらし』とはねえ、骸骨が出る噺なんて、もうちょっと縁起をかつげよ」と笑いを取った遊雀さんは、客席の女児に目を留めて声を掛け、「落語」に関する枕を。遊雀さんがあんなにお客をいじるなんて珍しい。ネタが「初天神」と分かるや否や起こる笑いに「ここ笑うところじゃないんですけど」(このやりとり?は何度も経験済み・笑)
A太郎は枕に師匠が見える。淡々と、と言っても「若い」からエネルギッシュに、なんだけど、笑いを重ねてくる辺りに真摯さを感じる。彼の新作は私にはちょっと合わず。
「真打も二つ目もみっちり30分ずつ」との触れ込み、というかそれが「売り」と宣伝されていたのが、全員が「トリへのリレーだから」と25分以内で下りた結果、三三の45分に渡る「粗忽の釘」が聴けた(笑)上るなりまず「落語を初めて聴く方向けと言われてきたのに、遊雀師匠の『池袋演芸場』に沸いてるから、これは(客層が)違うなと(笑)」。「寄席」なのか「落語会」なのか何なのか、別にはっきりしなきゃなんないわけでもないし、向こう(落語家さん側)もこちら(客席側)も色々変わっていくんだろう。そのうちまた行ってみたい。