拝鈍亭 落語の夕べ


瀧川鯉昇「蛇含草」
桧山うめ吉(俗曲)
 (中入)
瀧川鯉昇「ねずみ」
 (9/7・本浄寺)


「落語なんて全編漏らさず聞くもんじゃない、随所を聞けばいい」という、枕に「ありがち」な噺家の自虐的ギャグとでもいうような物言いに、今日はふと感じ入ってしまった。一席目の「蛇含草」がまさにそんなふうだったから。落語を聞きながら、あっこの噺か、それじゃあこうなってこうなるんだな、とか考えてしまうの、つまらないもの。鯉昇のこの噺、その時々をただ笑うということが出来て、楽しかった。
「蛇含草」の前の「暑い日にバスの中で」の小噺?は初めて聞いた、面白かった(笑)枕で氷を食べる仕草、本編で餅を食べる仕草と二つも楽しめてお得な気分。「ねずみ」では、サゲとお客の拍手の後に、本編の後じゃないと出来ない噺をもう一つしてくれて、こちらもお得な気分。うめ吉さんの、寄席とは少し違う顔も見られたことも含めて、とても楽しい会だった。