フルスロットル



公開初日、新宿ピカデリーにて観賞。「ポール・ウォーカー『最期』の主演作」とのことで、上映館の少なさもあってか、小さめのスクリーンがほぼ満席。
いきなり関係ないけど、先日モンティ・パイソンの復活ライブ(のとある演出)を見たばかりなので、一場面でスペイン宗教裁判を思い出して可笑しくなった(笑・三人でも赤くもないけど、赤いとこに飛び出してくるから…)


予告編すら見ていなかったので、本作が「アルティメット」のリメイクだと知らなかった。どのみち見てるのに内容覚えちゃいないけど(笑)
舞台は荒れ果てた近未来のデトロイトに建つ「Brick Mansions(原題)」。オープニングから「悪役」の「じゃまなやつらはぶっとばしてしまおう」との雑で乱暴なセリフ。そういやこのシリーズも「立ち退き映画」なんだった。立ち退き映画収集人(収集「家」ってほどじゃない・笑)としてはちゃんと拾えてよかった。そもそも立ち退きって、まともに考えたら複雑な問題だから、映画ならこのくらいの「要素」感、取り入れ感が却っていい。


冒頭、ダヴィッド・ベルによるパルクールの一幕。パルクールって映画の中じゃ何に役立つのかというと、ここでは「建物を使って」「大勢を振り切る」。次いでポール・ウォーカーによる捕り物の一幕。カーチェイス…というか逃げる悪者の車に飛びついて奴を警察署に突き出す。こちらは「機転」が効いている。それぞれ、それぞれにしか出来ないことをまず見せる。
そんな彼らが組み合わさったらどうなるか?…の前に当の二人の取っ組み合い、それから相棒としてのパワー爆発。この段階的な描写が楽しい。得手不得手があることで面白くなる場面やセリフもある。


ポール・ウォーカーの魅力的なこと。潜入捜査官としての仕事を終えて帰宅、亡き父親の(とすぐに分かる)写真を見てコンタクトレンズを外しシャワーを浴びると、「青い瞳」と「金髪」が現れる。その後の場面で祖父とベンチに座っての作中初めての笑顔、更にその後の場面での緊張しての制服姿がまぶしい。最後のセリフが「俺はもう行くよ」というのが切なかった。