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「トワイライト」シリーズの狼男、テイラー・ロートナー主演作。「突然、周りの人が死に出した」…失踪者サイトで自らの幼少時の写真を見つけた高校生が、その出生に絡む国家的陰謀と対決する話。


滋味は感じられなかったけど、楽しく観た。「トワイライト」同様、「好きな女の子をあたためる」ため添い寝する場面あり(脱ぎはしないけど)。「ボーン」シリーズのスタッフによる…という宣伝文句だけど、作中少々意外な箇所でマット・ディモンの名が出てくる。


オープニングの主人公ネイサンは、車のボンネットに乗ってパーティに向かう「悩み無き若者」。その貼り付き方や有り得ない飛び降り方から、運動神経が並じゃないことが分かる。会場では女の子とではなく、おたくっぽい友人たちとテーブルを囲む。その後、上半身裸を披露。
冒頭しばらく、この地に足着いてない感じは、出演者の青さによるのか、それともそういう話なのか戸惑ってしまったけど、あるものを探すネイサンの、懐中電灯の光に照らされた横顔を見た瞬間から映画に入り込めた。少年が、「自分」について考えることで「大人」への一歩を踏み出す。とはいえ、銃を置いたデスクの前に座る姿は笑っちゃうほど絵にならないのに、言動だけは早々といっぱしの「大人」になってしまうから拍子抜けするんだけども(笑)


周囲の大人たちはかなりの豪華キャスト。両親役のジェイソン・アイザックスマリア・ベロの「活躍」は意外で嬉しかった。アルフレッド・モリーナ演じるCIAのエージェントは、ネイサンに対し「ガキめ(Kids!)」と舌打ちする(笑)一番の悪者にミカエル・ニクヴィスト、車の中でTシャツに着替える場面では、その似合わなさに妙に動揺させられる。シガニー・ウィーバーについては、肉体の迫力が感じられたらもっとよかったのにと思った。


ネイサンが受けていた「トレーニング」について「このためだったんだ」とセリフで念押ししたり、悪者をやっつける場面で父との一戦とのカットバックになったりと、骨格丸見えでなんともダサい印象を受ける一方、いわゆる「伏線」というわけじゃない、ちょっとしたところが面白い。列車の個室でガールフレンドを持ち上げまくったネイサンが、後に悪者に軽々と持ち上げられちゃうのはよかった。


球場のシーンで、観客の一人(エキストラ)がテイラーの写真を撮ってた!と思う。どうかなあ?