ラモーナのおきて



これは面白かった!「空想好き」な9歳のラモーナと周りの人達の物語。主役にジョーイ・キング、お姉ちゃんにセレナ・ゴメス、ママにブリジット・モイナハンなど。


まずは体で遊ぶ楽しさが伝わってくるのがいい。私は9歳のラモーナの「空想」を表した場面より、単純に、ペンキが落ちてきたり水かけあったりというのが好き。洗車中のクルマの中でのデート(じゃないけど)なんてのもときめいてしまう。
体を使うって意味では、計算されたミュージカルみたいな楽しさもあった。お姉ちゃんに髪を巻いてもらい鏡を見た後、銀のトースターの前でカエルの真似、くるっと回って冷蔵庫のドアに寄りかかる場面なんて、可愛くて見とれる。ラモーナ始め皆の芝居調の動きが、物語をうまく運んでいる。
大体、男の人のへんな踊りがある映画ってそれだけで面白い。加えて言うなら、車の下にもぐって修理してる男の人がするっと出てくる場面も大好き。ちなみにここで登場するのはジョシュ・デュアメル、そこから出てこなくてもイイ男だ。


伏線を収拾、なんてしゃちこばった言い方は好きじゃないけど、あの「ペンダント」が、あの「写真」が、あの「絵」が!と観ていて気持ちよかった(×たくさん)。ラモーナやおばさんを轢いてた「車」が最後に活躍する画には笑ってしまった。
色んな年代の人が出てくるけど、それぞれ歴史というか奥行きを感じさせるのもいい。お姉ちゃんとボーイフレンドのやりとりは、ラモーナより大人だけど、オトナよりは子供。おばさんとおじさんの会話は「大人」。ラモーナが漏れ聞いてしまう「この車に乗るのは勇気がいるよ」、ああいう一言がぴりっと効いている。
初めての一人部屋にはしゃぐラモーナが、お姉ちゃんの部屋を覗いたらすごく素敵にしててびっくり、という場面も好きだ。たまにある、身近な人の一面を新たに知る衝撃。


ラモーナの担任の先生にサンドラ・オー、教員役は初めてかな?とてもはまってる。自分で作った単語を認めてもらえないラモーナは「no fine」と評価するけど、ああいう「普通」のことをちゃんとしてくれる先生っていい。最後の二人のやりとりにはほろっと涙ぐんでしまった。