4月の涙


ポスターから「ククーシュカ」のハード版みたいな内容かと思ってたら、めんどくさい詩人のおっさんの話だった。主役男女の容姿が小奇麗すぎ、おっさんの芸術と苦悩がベタすぎの感はあったけど、面白かった。



20世紀初頭、内戦時のフィンランド赤軍の女性兵士たちが白軍に捕らえられ、暴力の末に殺されるが、一人の女性が生き残る。准士官のアーロは、彼女を公正な裁判に掛けるため、海を渡って判事のもとへ連れて行く。


冒頭、原っぱで銃を持ったグループ同士が撃ち合っている。サバイバルゲームかと思うくらい、簡素な戦い。赤軍女性兵のリーダー(と後に分かる)のミーナ(この名も後に分かる)は、怖がりまとわりついてくる仲間をさばきつつ、冷静に銃を使用する。この仲間ってのがリアルにうざく、でももし自分がその場にいたら、どうなっちゃうだろう、なんて想像した。


散々乱暴された末、敵方の美青年アーロが彼女を「正当」に扱い、二人はちょこっと「青い珊瑚礁」ぽくなるが、大のオトナが戦時下に、しかも北国の岩場じゃなあ、と思ってたところが、物語は意外な展開を見せる。「やっぱり独身」のアーロ、「肝が座った」ミーナ、二人をそう評してやたら執着する詩人で判事のエーミル、「異常」時において、三者の人生が交差する。


ミーナは、無人島に漂着し体調が回復すると、敵方のアーロを「誘惑」してみる。最近観た映画の中じゃ、一番はっきり陰毛が見えた。なかなかよい撮り方。
「やらせてくれたら逃がしてくれる?」と股を開き、断られたらあっそう、で済むのってラクでいい。アーロの方は、彼女の裸を見せられた後、岩場に行って自分で出してくる。この場面が可愛い。


戦火のナージャ」「4月の涙」と、たまたま続けて戦争もの観たけど、前者は「戦争もの」、後者は「戦時下における性愛もの」。男がピアノ弾くのと、女が胸を見せるのが共通してた。