白夜行


東野圭吾の同名小説を映画化。
昭和55年、とある町で質屋の店主が殺害され、被疑者の女性が死亡し解決となる。担当刑事の笹垣(船越英一郎)は疑問を抱き、独自に事件を追い続けた。やがて彼の行く先々に、被疑者の娘・雪穂(堀北真希)と質屋の息子・亮司(高良健吾)の影がちらつき始める。


昭和49年生まれの私にとって、昭和末期〜平成始めの「映像」を観るのが面白かった。一番印象に残ったのは、船越が「住所をお願いします」と言って取り出す地図のでかさ。今でもまだああいうの、あるけども。
違和感を覚えたのは、作中のセリフにやたら「セックス」という言葉が出てくること。当時あまり言わなかったんじゃないかな?わざと使ってるんだろうか。


終盤は「砂の器」「人間の証明」ふう定番。「犯人」の晴れ舞台の日、刑事がその過去を語る映像に合わせて悲愴な音楽が流れる。しかし音楽が空々しく聴こえ、ぴんと来ない。そもそも「晴れ舞台」がしょぼすぎるし。


主人公・雪穂が目障りな女性に対してする行為が「制裁」となり得るのは、相手(あるいは「社会」)がそれを「被害者側こそ隠さなければならない恥」としているから。「現在」の話じゃないとはいえ、どうにも古臭い。けろっと受け止めて効果無し、という女性が現れるんじゃないかと期待してしまった。原作読んで話は知ってたけど、手先が高良健吾だし(笑)