シャッターアイランド



ユナイテッドシネマとしまえんにて、公開初日に観賞。
(「ネタばれ」はしないけど、読めば分かっちゃうおそれあり)


1954年。ボストン沖合に浮かぶ孤島「シャッターアイランド」は、精神病に侵された犯罪者の収容施設。連邦捜査官のテディ(レオナルド・ディカプリオ)は、相棒チャック(マーク・ラファロ)と共に、女性患者が行方不明になった事件の捜査に訪れる。


本編前に散々「結末は他言無用」「映像中の表情や手の動きに注目」といった表記がされるので、つい「謎解き」目線で観てしまい、前半はぴんとこなかったけど、どんな話かつかめてきた後半からぐんぐん面白くなった。テーマは作中ベン・キングズレーが口にする「妄想」。また人の心の奥に潜む「暴力」についても語られる。
じめじめした建物や波の砕ける崖、灯台のデコラティブならせん階段など、「古色蒼然」といった感じの舞台が楽しい。終始額に縦ジワを刻んだ、レオの歯くいしばり顔に笑わせられた。


他の分野でも同様のことってあるけど、映画においては、「私」にとっての世界が、多くの場合、いわゆる「本人目線」でなく、当人を含めた「客観的」映像で表現される。そこにズレ…怠慢、あるいは様々な可能性がある。この映画では、その「可能性」を楽しむことができる。
終盤、○○が○○に向けて空の銃を発砲すると、血が流れる映像に次いで、そうではない(何事も起こらなかった)映像が流れる。「妄想」と「現実」との境界、あるいは「妄想から覚める」ってそういうことなのか?と、ここのみ安っぽい感じを受けた。でも同居人は良かったと言うから、たんに好みの問題か。