ニュームーン/トワイライト・サーガ


新宿ピカデリーにて公開二日目。一番広いスクリーンがほぼ満員。笑い声がたくさんあがっていた。


前作の輝き(感想)は何だったんだろう?少々がっかりしてしまった。



吸血鬼エドワード(ロバート・パティンソン)と愛し合う人間の少女ベラ(クリスティン・スチュワート)だが、諸々の理由で離ればなれになってしまう。自分に気のある幼馴染ジェイコブ(テイラ・ロートナー)との触れ合いに慰めを見出すものの、彼は吸血鬼の宿敵・狼一族の末裔だった。


冒頭、登校したベラの前にエドワードとジェイコブが続けて登場するシーンにはわくわくさせられたけど(くらもちふさこの昔の漫画で、白髪と黒髪が一緒に出てくるような贅沢さ)、その後はずっと、のっぺりした感じ。
オープニングに、クライマックスシーンとベラのナレーションを持って来て謎めいた雰囲気を演出したり、見下ろすカメラがぐるぐるしたり、「若者」っぽいシーンになるとそれっぽい音楽が流れたり、そういった部分は前作と同じだけど、心躍らない。ストーリーの唐突さやセリフの陳腐さは同じでも、前作が面白かった理由は、うまく言えないけど、揺らぎや雑然さのためだと思う。今作の冒頭、学食に集まる皆の前にあまりにも整然と並んだトレイに不安を覚えたけど、その通り、何の動きも感じられない映画だった。じっとりした土地に佇む建物や、衣装・小物の魅力も失われたよう。


テイラ・ロートナー演じるジェイコブと仲間達はずーっと上半身裸・裸・裸なので、楽しい反面、男の人と観ていて少し申し訳なくなってしまった。加えて、あれほど恵まれた環境なのに何のいやらしいこともしない主人公に人間性を感じられず、どんな心持ちで観ればいいのか分からなかった(笑)
出番の少ないロバート・パティンソンの方は、前作では、一見不気味だけどスクリーンの中で動いてると魅力的だなあと思わせられたものだけど、今回は見せ場がない。前述の登校時のちょっとした笑顔が、2時間中いちばん魅力的だった。
ベラやジェイコブのパパたちがあまり出てこなかったのも残念。ベラのパパ、結構タイプなのに…


今作のメインといっていい「狼」の特殊効果は良かった。一瞬の変身シーンも、群れの動きも見ごたえがある。ジェイコブの眼にベラが映り込むシーンも、王道!だけど、いい。
「動物に変身する」…変態する人間ってなぜかセクシャルに感じるけど、狼になったジェイコブにベラが触れるシーンが無かったのが残念。


笑い所はたくさんあったけど、違う意味で笑っちゃったのが、マフィンのでかさ。よく動くからあんなにでっかいの、食べるのかな?