きみがぼくを見つけた日


上品で後味のよい映画。同居人いわく「素敵の一言」。



自らの意思に関係なくタイムトラベルしてしまうヘンリー(エリック・バナ)と、彼に出会ったクレア(レイチェル・マクアダムス)が愛し合い、ともに過ごす物語。


「SF」のことはよく知らないけど、私にとってはこういうのがそうかも、と思った。
私がいわゆるSFを苦手とする第一の理由は、それってどういうこと?と色々考えちゃうからなんだけど(例えばカンタンに「心と体」などと言われても、心や体の定義って?と考えてしまう)、この物語では、ヘンリーがタイムトラベルをする理由は、特にない(出てくる学者も何の役にも立たない・笑)。「普通じゃない」事象に、登場人物が翻弄されるだけ。だから余計なことを考えず、楽しく観られる。


主役二人のキャラクターは、「タイムトラベラーとその恋人」として以外、それほど深く描写されるわけじゃないけど、だからこそ余計、物語中の「タイムトラベル」について、あるいは人間関係について、ちょっとした発見があって面白い。
また、タイムトラベルものにつきものの「種明かし」ネタ(タイムパラドックス?)が最低限のものだけ、というのも安っぽくなくていい。


途中から、「The Time Traveller's wife」(原題)はこんな体験ができるんだなあ…あるいはしなければならないんだなあ、という視点で観ていた。
ヘンリーは生涯を通じて、愛する人たちに会いに出掛ける。忙しい男だ(笑)ただし重要なのは、その邂逅は、彼の考えでは「待ってはいけない」ということ。確かに私なら、彼が一度でも目の前から消えちゃったら、寂しくてよそに行ってしまうだろう。もっともそういう人(私)には、ああいう人は寄ってこないか。



(自分の娘が、もう少し大きくなった自分の娘と一緒に居るのを見て、ヘンリー)
「へんな感じがする?」
「ううん、magicalって感じ」


マジカルということが、ロマンチックに感じられるのはなぜか?何か語源に関係するのかな?と思った。


二人の結婚式では、Broken Social Sceneジョイ・ディヴィジョンの「Love will tear us apart」を演奏。これはオリジナルのほうが好きだな…