リミッツ・オブ・コントロール



「最高の映画とは、決して見なかった夢のこと」


「夢」という言葉が、(少なくとも日本語と英語では?)眠っているときのあれと、こうなりたいと望む自分の姿とを表すなんて、考えたら混乱する。



バルト9にて観賞。結構混んでいた。予告編もチラシも目にしなかったので、当日まで、ジャームッシュの新作が公開されてるなんて知らなかった。
とある仕事を請け負った男が、スペインを訪れ、幾人かの仲間と接触を繰り返した後、目的を達する。
話は同じことの繰り返しで、サスペンスもゆるやかなので、寝不足もあり少しうとうとしてしまったけど、映像と音楽が力強く惹きつけられた。


オープニングの場面は少し意外な感じを受けたけど、その後に映る主人公(以前の作品でも見かけた俳優)の顔、彼が去った後の空間、全てがジャームッシュ。そして会話があり、音楽が流れ、旅が始まる。想像力でどこへでも行ける。


主人公に順に接近してくる仲間たちが豪華キャストだ。登場する際、主人公側からの視点でなく、彼等の背後からのショットで現れるのに、心がぐらっと動かされる。
ティルダ・スウィントンは、ヘアメイクのせいか?エルフみたいで、これまでで一番可愛らしく見えた(だからこの作品がベストだということじゃなく、単純に、可愛く見えて楽しかったということ)。


ジョン・ハートが「美しい映画を観たんだ、フィンランドの…」というのは、勿論アキ・カウリスマキの「ラヴィ・ド・ボエーム」のこと。このシーン(セリフ)が一番興奮したかも(笑)