白鳥倶楽部



柳亭市助「手紙無筆」
三遊亭白鳥「はらぺこ奇談」
 (中入)
三遊亭白鳥萩の月の由来」(「ねずみ」改作)
 (11/28・お江戸日本橋亭


怪我以来、一ヶ月半ぶりの落語会。予約済だったから偶然ながら、好きな人の会で「復帰」できてよかった(笑)
この日のメイン、CD収録のために掛けられた「はらぺこ奇談」は、親子会でのネタ交換で円丈が演ったのは聴いてたけど、本人版は、本やCDで馴染みがあってもナマは初めて。この噺に限らないけど、擬音(ガッシャン!等)の言い方が師匠譲り?なのが嬉しい(笑)
白鳥さんの枕の本編との絡み具合が大きいのは、自作自演だからだろうけど、この日は特に「このネタを作った理由」を微細に渡って喋る。靭帯を痛めてのダイエット話から、炭水化物を摂らずにいると高座でも客を笑わそうなんて思わない、食べ物のことしか頭になくなる…というくだりなんて、本編の怪物の独白と全く同じなんだから面白い。ちなみに本人いわく、この日は役に入り込むために朝から何も食べてこなかったとか。
貫一・お宮のくだりでは、はめもの入れての熱演。終盤、座布団が「紫」、手拭いが「緑」だったのはそういう訳かと分かる。録音してるのに、クライマックスは座布団芸の極北、耳で聴いても意味不明(笑)なかなかいい動き、間近で見られて良かった。


中入後は袴を脱いだ(だけの・笑)格好で食べ物話の続き、もしやと思ったらやっぱり大好きな「萩の月の由来」。一席目と同じ食べ物&親子ネタ、こういうのも「付いてる」と言うのかな?(それがイヤ、というわけではない)
枕の最中、超・今更ながら、「ねずみ」って、私が映画などにおいて好きなジャンル「有名人の空白期もの」だと気付いた(お気に入りは「モリエール」、最近のへぼ作なら「推理作家ポー」など)。白鳥さんが演ると「左甚五郎」が全然「すごい人」に感じられないのが、鼠屋の親子も彼をぞんざいに扱ってることで違和感を覚えずに済むのが面白い(笑)