奥さまは名探偵 パディントン発4時50分


アガサ・クリスティー 奥さまは名探偵~パディトン発4時50分~ [DVD]

アガサ・クリスティー 奥さまは名探偵~パディトン発4時50分~ [DVD]


パスカル・トマによる、アガサ・クリスティ三部作の最終章。「奥さまは名探偵」(感想)「ゼロ時間の謎」(感想)は劇場で観たけど、本作のみ日本じゃDVDスルー。一作目のカトリーヌ・フロ&アンドレ・デュソリエによるタペンス夫妻の他、舞台となる「家族」には、二作目に続けてキアラ・マストロヤンニメルヴィル・プボーの綺麗どころが出演。


近年「ゼロ時間の謎」「華麗なるアリバイ」(パスカル・ボニゼール監督/感想)と、フランス人はなぜこうもクリスティを映画化するのか?面白くもならないのに…と思ってきたけど、本作はとても楽しめた(今気付いたんだけど、DVDで観たから…ってことはないよなあ・笑)
「奥さまは名探偵」ではそれほど感じなかったけど、他のクリスティ映像化のようにスターの豪華さやコージーミステリの温かさではなく、ただただカトリーヌ・フロのキャラクターと魅力で持ってるところが、彼女のファンである私には嬉しい。前作に比べ、内容の聴こえない会話、彼女の見る夢、夫婦が相手の不在時に思い浮かべるイメージなど、「遊び」っぽい映像が増えてるのも楽しい。


子どもの頃「パディントン発4時50分」が大好きだったのは、ひとえに「プロの家政婦」として家々を渡り歩く主人公に憧れたから。今回は設定を大幅に変更し(マープルものとトミー&タペンスものを組み合わせ)、その役をカトリーヌ・フロが!というのがまず面白い。「家政婦には見えない」彼女が料理しながら歌うシーンなど、私のお気に入り「地上5センチの恋心」(感想)にも通じる楽しさ。
タイトで素敵な衣装の数々、雪道をハイヒールでやってきて、スノーブーツにはしゃぐ。おばさん、マダム、どの呼び名もぴんとこない、性的な感じは全くしないのに(なんて「女」に感じない私が言うのもへんだけど)、まさに「女」そのもの、女っていいなあと思わされる。


ラストが有名な「シャーロック・ホームズのジョーク」でシメられてたのにはびっくりした(笑)