ジャスティン・ビーバー ネヴァー・セイ・ネヴァー


最高に楽しかった!「今」の「本物」にかなうものなし。
平日の劇場は半分程の入りだったけど、ヤバイヤバイ!と囁き合ったり笑い合ったりする女子達が後ろにいて嬉しくなる。私もジャスティンに興味が湧いたし、ああいう歌手が日本にもいたらいいなあと思った。



ツアーでのパフォーマンス、生い立ち、スターになるまでの経緯、周囲やファンの証言を織り混ぜながら、マディソン・スクエア・ガーデンでの公演に向かってカウントダウン。ジャスティンがステージに3Dで登場した時は笑ってしまったけど、次第にもっともっとと求めるように。パワーが伝わってくる。
加えてジャスティンが「髪を振る」シーンには爆笑、あれを見られただけで3D料金払ったかいがあった!ファンによると彼の「髪」には多大な魅力があるらしい。パーカーのフードを脱いで髪を振って整え、被り直すシーンなんてのも、いかにも「素顔」っぽくて楽しい。


音楽映画としての、(本人の)パワーと(作りの)うさんくささも面白いけど、印象に残るのはジャスティンの「人たらし」ぶり…というか、まさに「愛されるために生きてる」様子。ヘアメイクの中年女性に向かって「これ(バリカンみたいの)でアタマ剃っちゃおうかなー」「やめなさい!」「じゃあI love you,ジャスティンって言ってよ」。いるんだよなあ、こういうやつ!素晴らしい。
片時もじっとしていない、通りすがりに人の顔を叩く、ものを散らかす、迷惑ぎりぎりというか軽く踏み越えてるやんちゃぶりがでかでかと映し出される。ドーナツの箱をゴミの上に置いて「汚いわねえ」「『ぼくが』やったんだよ?」には笑ってしまった。
作中、マイケル・ジャクソンの名前が何度かあげられる。娘を連れた母親の口から初めて行ったコンサートとして、終盤ではマドンナの「マイケルには子ども時代がなかった」というスピーチを引き、ジャスティンはそういうのが嫌だと言っている、という。マイケルには(幻想かもしれないけど)昔ながらの芸人の悲哀のようなものがあったけど、ジャスティンにはない。10代で「大人の暮らし」をするには確かにストレスもあるだろうけど、あんなふうに「子ども」でいられて本人が楽しいなら、いいことだと思う。


まあ、やんちゃの件がなくても、白人で男で「あの顔と髪」で、ある程度恵まれた環境に育ったやつに「ネヴァー・セイ・ネヴァー」なんて言われたら、むかつくって人もいるだろう。ちなみに 「ベスト・キッド」のテーマであるタイトル曲はジェイデン・スミス(いつの間にか肩書きが「カラテ・エキスパート」に…)との共演なんだけど、この二人が揃って歌い踊る様は強烈で笑ってしまった。ある意味、世界最強の嫌がらせなんだもん。



↑たんにこの予告通りの内容、だけど劇場で観たらすごい。