トロン:レガシー


公開初日、新宿ピカデリーにて3D字幕版を観賞。2番目に大きいスクリーンが、夜の回で8割ほどの入り。
前作「トロン」('82)をレンタルしていながら未見だったんだけど、「オレンジ=悪者」程度の認識でじゅうぶん楽しめた。



冒頭の現実世界の「家」のシーンのしょぼいこと(美術館などで「昔の建築物をよみがえらせてみました」と見せられる映像みたい)。とはいえ主人公サム(ギャレット・ヘドランド)が、エンコム社でのどたばた、父の旧友とのあれこれを経て、ゲームセンターから「コンピュータの中」へ入りこむまでの描写が結構面白く、前作が存在するのにこんなこと言うの変だけど、80年代にジョン・バダム(←好きな監督)が撮ってたらどんなだったろう、なんて思ってしまった(笑)


舞台が「コンピュータの中」に移ると、しょぼさを感じなくなる。3D技術がどうというより、3Dで観るのが「普通」な世界と認識し「自然」に感じてしまう、と言うのが正しいかな?
パパ(ジェフ・ブリッジス)の住処のベランダ?越しの親子二人、その部屋に押し入る「悪者」たちなど、手前にでかいものを配した場面がやたら多く、無理やり奥行きを活かしている感じを受けた。それから、初めて観た3D作品「センター・オブ・ジ・アース」の時から感じてることなんだけど、どういう理屈なのか、人間が「ジオラマの中の人形」に見えてしまう時がある(この映画では、終盤3人がモノレールみたいな乗り物で出口に向かってる時)。
最後に現実世界に戻ってきてからは、疲れたので3Dメガネを外したところ、2Dで撮ってるようで、支障なく観られた。


最新コンピュータがどうとかいう話なのに、冒頭サムはオールドスクールな「泥棒」プレイをするので(でぶの警備員に屋上へ追い詰められるなど)可笑しく思っていたら、終盤でも、肝心な所は親子でアナログにキメる。パパの一撃には吹き出してしまった。その後は他人の活躍に「yes,yes」と感心してるだけかと思いきや、最後にものすごいことをやってのける(あれは何なのか?意味が分からなかった)。


ジェフ・ブリッジスのファンとしては、若返り顔が見られて嬉しかった。また、時計じかけ〜的、旧態依然としたクラブの描写はどうなのか…と思ってた所、彼が登場するカットがかっこよかったのでよしとする。
それにしても、最後の「いいもの」って犬のことじゃないのか!パパも「犬はいいなあ」って言ってたじゃん(笑)


その後、前作「トロン」のほうも観てみた。

トロン [DVD]

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「レガシー」では禅がどうとか言ってるジェフ・ブリッジスが、ここではただのやんちゃな青年なのが可笑しい。「コツは手首」という口癖、肝心なところでアナログな行動に出るシーンが確認できてよかった(笑)
生まれてこのかた「コンピューターゲーム」に触れたことのない私にとっては、「レガシー」よりこちらの方が新鮮に感じられ楽しかった。「平面」ぽい…「現実」からかけ離れた映像の中に「人間」がいるほうが面白い。「パワー」を表すシンプルな光の描写や、「bit」が「yes,yes」と肯定を繰り返して喜ぶ?シーンなど味わいがあった。