飢餓海峡


緒形拳の映画について思い返していたら、「ザ・昭和」ってかんじの映像が観たくなって、(彼は出演してないけど)「飢餓海峡」を借りてきた。

飢餓海峡 [DVD]

飢餓海峡 [DVD]

物語の始まりはうちの母親が生まれた昭和22年。津軽海峡を超えてきた三國連太郎左幸子と出会うトロッコは、ディズニーのジャングルクルーズのように草木の中を進む。ここから、二人でひとときを過ごし別れるまでの左幸子がおそろしく可愛らしい。その後に恩人の残した爪(さぞかし真っ黒で汚いんだろう)を大切に紙から取り出しあれこれするシーンでは、「抱きしめたい」のナンシー・アレンを思い出したり…見てて身もだえしちゃうのは勿論、こっちの方だけど。


彼女が三國連太郎を伊豆に訪ねるときの日傘がすてきだ。私の伊勢丹のもいいけど!(笑)最近ってああいう小ぶりの日傘、なかなか置いてないんだよなあ。あのサイズならすれ違う人にも迷惑かけずに済むのに。


刑事を辞めて10年経つ伴淳三郎が、再び事件に挑むため家を出るとき、反抗している上の息子が下の子にお金を遣わせる、外へ飛び出して「おやじ〜」と呼ぶ、そこで場面が切れるのが良かった。