どんな時も



95年アメリカ映画。うまれたときからデブのアンガス(=牛)くんが、思い悩みつつ、プロムの夜に本物のスターになるまでを描いた物語。いわゆる「負け組」「プロム」というキーワードで語られる、ありがちな話なんだけど、結構面白く、しまいには涙ぐんで観てました。
まず最高なのが、冒頭の鼓笛隊の場面。グリーンデイの主題歌(彼等のことあまり知らないんでよくわかんない、すみません)に合わせて、ハイスクールの鼓笛隊がフットボールの応援をするの。「恋のからさわぎ」(「ロックバンド出演映画」この項参照)ほど巧みな演出じゃないけど、昔ブラバンやってた私は、こういうのが出てくるだけで胸がじーんとしてしまう。まだ映画始まったばかりだというのが勿体ないかぎり(笑)主役のアンガスくんは、巨体をいかして猛タックル、大成功するんだけど、折角の手柄は、いじめっこの二枚目・リックのものになってしまうのでした。


以前も書いたと思うけど、こういう映画って、主人公が結ばれるのが「容姿は勝ち組だが中身は負け組(の気持ちを汲んであげられるような心優しい)」女の子、というのが、女の私からするとなんだか不公平な気がするのですが、この話では、その点のフォロー…じゃないけど(笑)アンガスとその親友でチビのトロイがこんな会話を交わす。「女はカラダだよ」「そんなことない」「じゃあなんでメリッサが好きなんだ?」「彼女は特別だ、見ると胃の奥が痛くなる」「お前は胃が勃起するのか?」…とってつけたようなやり取りだけど、クライマックスでもこの会話が繰り返されるはめに(詳しくはネタバレなので書けない)。
ヒロインのメリッサは「ジュラシック・パーク」に出てた女の子で、すごく地味なのですが(べつに気にならないけど)、脇役が豪華で、アンガスの母親はキャシー・ベイツ、祖父はジョージ・C・スコット。おじいちゃんが「スーパーマンのように恵まれた人間は勇敢とはいわない、お前やお前の母さんみたいな人間こそ勇敢なんだ」と説く場面はなかなか良かったです。