ダイヤモンド・イン・パラダイス


これはよかった!ここ数ヶ月に劇場で観た中でいちばん面白かった。
新宿での上映は客席数44のピカデリー4、以前最後にここに来たのは「最‘狂’絶叫計画」だったっけ…



泥棒稼業をリタイアしたマックス(ピアース・ブロスナン)とその相棒で恋人のローラ(サルマ・ハエック)は、バハマで悠々自適の暮らしを送っていた。
しかしある日、マックスを追い続けてきたFBIの捜査官スタン(ウディ・ハレルソン)が現れる。これまで盗んできた「ナポレオンのダイヤ」最後のひとつが、近々やってくる豪華客船での展示会にかかるとのこと。平穏な生活をのぞむローラにクギをさされつつ、美しいダイヤモンドに心惹かれるマックス。


いかにも70年代のクライムムービー的なオープニング(でもさっさと終わる、クドくないの)に心浮かれてると、場面はバスケの試合会場へ。幾度となく観てきたよねこういうシーン…捜査官がのぞきこむ双眼鏡の中にはいかにもリラックスした表情で観戦するマックスの顔。勿論その後は、チームワークばっちりの華麗な泥棒プレイが楽しめます。
とはいえ泥棒プレイに関しては、冒頭のコレがいちばん面白くって、クライマックスの盗みは拍子抜けするほどあっさりしてるし、他にも緊迫感あふれる場面は皆無なのですが、どのシーンも適度に粋で、ダサくて、笑えて、観終わったあと、面白い映画ってこういうんだよな〜としみじみ。
女性二人のキャラクターは、固めであまり面白くないんだけど、「少女漫画の主人公はいい子」みたいなお約束で、これはこれでいいかな…


間抜けな捜査官役のウディ・ハレルソンがすごくよくって、ナチュラルボーンキラーズだったのが信じられないくらい(笑)私の中では出演作でベストになるかも。マックスと釣りに出かけた彼が「FBI」のキャップかぶってるのが可笑しくてしょうがなかった。
ドン・チードル演じる幼稚な「島の実力者」がクルマの中でママス&パパス聴いてるのも笑える。彼が連れてる二人の女もカッコ見ただけで可笑しい。


「これからあなたと私、年寄りになるまでこのデッキで夕陽をみるのよ」
原題は「After the Sunset」。高価なものを求めてきたが、ほんとうに欲しかったものは近くにあった…などとマックスが最後に語るのですが、え〜そんなんで終わっちゃうの?と思っていると、美味しいオチがついてて、満足。