女性の休日


日本公開に際してのメッセージでアメリカ人女性のパメラ・ホーガン監督いわく「アイスランドを旅行で訪れた時この話を知り絶対映画になっているはずと見たくてたまらなくなったが無かった、だから作った」。近年の数々の映画同様に力強く証言する女性達の顔を見ながら、間に合ってよかったと思うのは嫌だと考えた。

アイスランドの自然環境の映像に始まる映画は、1975年10月24日の「たった一日」に至るまで何がどうだったか、皆がどうしたかを順を追って語る。女性は夫より早く起きて化粧するべきとされていたこと、稼ぐ必要はないだろうと給料は同じ仕事でも男性の6割程度だったこと(この、国の個人への介入・決めつけが差別問題の根に常にある)、クリスマス前には何種類もの菓子を焼き皆の服を縫いくたびれ果てていたこと。ある母親は本を読む時間もないから子どもを置いて刑務所に入りたいと言っていたそうだ。「女性の休日」でなされた演説は15年前に母が友達とキッチンで話していたこと、というのは強烈だ。

監督の言う「アメリカや日本のような大国にいると忘れてしまう、一人一人の力の大きさ」。映画は様々な立場や考えの女性が一丸となることができた理由に重点を置いている。外に出れば誰もが知り合いか、知り合いの知り合いという感覚は私には分からないけれど、風のように波のように伝わってきていた他国の女性運動の影響に始まり国際女性年が定められたことからの女性会議で300人が初めて一堂に会した時の「どこを見ても女性ばかり」という感動ももしかしたら原動力になったのかもしれないと思う。そして「編み物をしていない編み物クラブ」にまで出向いたり、話し合い落としどころを探ったりする対話の作業の重要さ。

「本当にやる!できる!かならずやる!」の運動歌は「いつか子ども達が言うだろう、母さんが間違いを正してくれたと」と始まっていた。証言者の一人は事前に街で「女性の休日」について尋ねられ「あなたの娘さんや息子さんのため、いずれ分かる」と答えたそうだが、確かに「いずれ分かる」。レッドストッキングスの活動につき「女性を敬っているだけだ」と書いた男性、「強い男性を求めるのは自然の摂理」と書いた女性の当時の写真がちゃんと添えられているのがよい。それこそ当日に警備を担当した男性達の表情まで、何もかもが今に残っている。