
終わってみれば、これならパク・ソンウン主演『配信犯罪』(2022年、感想)の方がまだ納得できた。今どき「若い女性が薄着で殺される」なら描くのに本気の覚悟か陳腐でなきゃならない理由のどちらかが必要で、本作には後者があるようなないような、「警察はおれを疑わなかった」「おれは誰だろう?」が肝だとすれば女達はメタ的に見ても捨て駒だ。
ジョン・チョー主演『search サーチ』から早7年、「全編コンピュータの画面上」であることも売りにならなくなったし(本作は終盤少し「抜ける」が)配信ネタも韓国の映画やドラマで散々見てきたけれど、ウサン(カン・ハヌル)を先輩と呼ぶカメラマンの一人称視点が体感7,8割を占める映像は案外飽きない。コメント部分で自身が隠れないよう場所を調整する、また取り合う様子は笑えるし、架空のCMが話に絡むのもうまい(スケッチじゃないけど『ケンタッキー・フライド・ムービー』を思い出してしまった)。「WAG?入りなよ」と配達のバイク乗りに迎え入れられる場面には、現実からかけ離れているわけじゃないのに奇妙なSF感すらあった。
ジャンプスケアというわけじゃないけど、ウサンがあまりにも「ビビり」なので見ているこちらは驚く彼に驚かされる。美味しそうに食べるねえ、ならぬ怖そうに驚くねえ、を売りにすれば人気が保てるかもと思ってしまった。ビビりで暴力的、犯人が女を誘き出して殺したとなれば「イケメンだったんでしょう」程度の認識(新人のマチルダ(ハ・ソユン)に「そういうことじゃない」と配信中に訂正される)でプロファイリングをやっているという、こいつが警察じゃなくてよかった、試験に落としてくれてありがとうと思わせるという意味では警察を持ちあげている映画と言える。