映画 おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!


冒頭から退職代行に男の日傘と昨今の話題がこれでもかと詰め込まれているけれど、うまく話を盛り上げているし、「時代は変わる」がテーマなのだから、後で見たらあったね~こういう話題!と思われるであろうこういう要素を取り入れるの、私はいいと思う(イルカショーとか「二次創作」の捉え方とか引っ掛かる点もあったけれど)。

この作品では「恋」は男同士の一つのカップル(プラス、二人をめぐる誰か)の間に限られており、「アップデート」をテーマにする際に恋愛やセックスを中心にしなくてもいいということが分かる。ドラマ版は誠(原田泰造)と美香(富田靖子)が大地(中島颯太)と円(東啓介)の結婚式の仲人を務めるのに終わるが(未読の原作もそうなのかな?)、オリジナル脚本だという映画版では円が東京から九州に行くことになり、「パートナーシップ制度を利用していても自治体から出ると適用されない」という問題がまず浮かび上がる(勿論それだけではないけれど)。ちなみにこの、パートナーの隣の誰かとして自分が社会に認識されているだろうかという問題は、異性愛だけども『突然、君がいなくなって』(感想)で描かれていることと同じだ。

主人公である誠の「アップデート」は相変わらず進行中だし、子どもである萌(大原梓)も翔(城桧吏)も新たなステージに進んでいる(とりわけ後者は他人を支援する側に回っている)。誠にふりかかる新たな問題は過去に自分が傷つけた相手とどう向き合うかだ。現実にはあんなふうには解決しないだろうけど、「言った方は内容を覚えていない」「会いたくないだろうから書面で連絡する」など大切なことが盛り込まれていた。それに映画だけ見るとみな根はいい人で「和解」もしているようだけど、ドラマ版で最も話の通じなかった人物はもう出てこず、嫌な相手とは関係を断ってもいいとされている(別の都合なのかもしれないけれど)。加えて最後の問題として、誠が自身の体の不調を外に表わさないことが描かれていた。まだまだ色々あるけれど、恐れず明るくやっていこうと言っている。