6時間後に君は死ぬ/タイヨウのウタ

同日日本公開の韓国映画二本には、日本の作品が元という他に主人公がネイルで自己主張しているという共通点があった。理由は異なるけれど、そこだけしか出来なくて。


6時間後に君は死ぬ』冒頭の、倉庫とコンビニのアルバイトを掛け持ちし、5万ウォンのブラウスを買うのに躊躇する、30歳になろうとしているジュンユン(パク・ジュヒョン)の姿は、『ニューノーマル』(2024韓国)最終章のハ・ダイン演じる店員を彷彿とさせる。刑事のギフン(クァク・シヤン)との「君も公務員を目指してみたら」「働きづめで勉強する時間なんてありません」にTLで見かけた氷河期世代への就職支援は無意味だとのツイートを思い出していたら、映画の終わりの彼女は全てにおいて余裕ができており、事件収束からそれまでこそが一番知りたいところだと思ってしまった。

この話の要は予知能力を信じてもらえないジュヌ(ジェヒョン)の苦悩にあるように私には思われ、それが面白かった。しかし知っている相手にも知らない相手にも殺される可能性が大いにある女の立場からすると、宣伝文句にも「殺人鬼を見つけ…」とあるけれど、ジュヌの「ぼくなら自分を殺しそうな相手を探す」との提案は(そんなことを言う理由は分かるけれども)何とも頓珍漢で呑気なものに感じられた。延辺へ帰る「ストーカー」のエピソードも、朝鮮族への偏見への抵抗という意図は分かるものの、デートアプリやストーカーの問題を個人に帰しているように感じられ釈然としなかった。


『タイヨウのウタ』には、元になった『タイヨウのうた』(2006日本)や『ミッドナイト・サン タイヨウのうた』(2018アメリカ)では省かれていた主人公が死ぬ場面があり、延命治療を拒否し臓器移植を望むという本人の意思が医師によって確認される(高校生から年齢を上げたのはそのためかな)。紫外線避けのスクリーンを下ろす描写や「病気の人と思われたくない、歌に注目してほしい」という思い、配信映像から個人や病名を特定されるという被害を受けるも同病の患者からのメッセージに病気について訴えていこうと決意するくだり、死を前にしての周囲への働きかけなど、ミソル(チョン・ジソ)が自身の命を自身の手にしっかり握ってコントロールしている感がいい。

恋の相手であるミンジュン(チャ・ハギョン)をサーファーや水泳選手から役者の卵に変更したのも活きている(作中映画に結構なゲスト出演あり・笑)。日本版やアメリカ版では主人公の映像を恋人が撮影する場面が印象的だったけれど、時代も進んだ本作では配信は全て一人で行われる。父からもらったギターと彼からもらったギターが並ぶ、下手をしたら男に頼っているようにも見える部屋において、その「一人」性というようなものがうまく働いていた。しかしミンジュンが初対面のミソルにもらった飲み物を飲んでしまうのや勝手にキスしてしまう(すぐに返ってくるけれど!)のには引っ掛かってしまった、どうしても。