通し狂言 仮名手本忠臣蔵



国立劇場開場50周年記念の「仮名手本忠臣蔵」完全遠し上演にて、ナマの歌舞伎を初体験。三か月に渡っているのを始めからと思いつつ、チケットを取りそびれて第三部のみになってしまった。席は一階のど真ん中あたり、前のおじさんが姿勢を正さず少しだらけてくれたらと思うも(笑)見やすい場所だった。


第三部は八段目の「道行旅路の嫁入」からで、いきなり性教育の話(笑)子がいない戸無瀬がなぜ「子がいてこそ」なんて言うのか、などと(無知ゆえの、あるいは歌舞伎を見る時にはおそらくナンセンスなことを)思ってしまった。この二人は九段目の半ばまで「情報」という意味では蚊帳の外であり、それゆえに生き残る、といか生き残「される」(…というようなことをイヤホンガイドでも言っていたけれど、そこまで「解説」してしまっていいものか)


九段目の「山科閑居の場」でふと、前日見た「ローグ・ワン」と「『父』が命懸けで渡す図面」繋がりだなと気付く。由良助が開けた障子の向こうに雪の五輪党が並んでいる、その有様にぐっとくる。使われているものが「本物」から全然遠かろうと、こうした「配置」というか何というか、そういう感じは、本や映像では伝わってこないものだ。


十段目の「天川屋義平内の場」は殆ど寝てしまった。勿体無いからと頑張ったけど、目が閉じてしまって。ここはどうも私には面白味が無い。
十一段目の討ち入りは、舞台がくるくる替わる(のが薄明りで見える)のが実に楽しい。「柴部屋焼香」の時の匂いは強烈で、どんなお香を使ってるんだろうと気になった。


一番長い幕間が35分だからと有職の茶巾寿司(と他のお寿司)を持参したものの、前日に買っておいたためさすがに固くなっていたので、次の機会があれば劇場内のレストランを利用したい。
おみやげに、年始に祖母に渡すつもりのきんつばに、50周年記念の小さなチョコレート。後者の裏を見たら(実家のある)名古屋で製造されていた(笑)