メリダとおそろしの森



日劇にて3D字幕版を観賞。楽しかった。予告編から想像してたのと全然違うストーリーで、メリダと母親の二人、どちらも主人公という感じ。そしてクマ。


メリダの父親がこちら(クマ)に向かって吠える顔のどアップ、「Come on, you!」のセリフの後、画面いっぱいに、こちらも挑みかかるように「BRAVE(原題)」。丸太?の文字がスコットランドの勇壮さを感じさせる。
冒頭まず、「女王」としては完璧な母親の長い髪が目に付いた。白髪もなでつけ一筋の乱れもなくまとめられている。メリダは求婚者達の前に出される際、その奔放な髪を全て押し込められるが、意地で一房に息をさせる。そしてラスト、二人は髪を自由になびかせ馬を駆る。


メリダが母親への苛立ちにまかせて切り裂く織物は、「父とメリダと弟」と「母」との間で切れる。後に明かされる、とある過去の出来事に対応してるんだけど、その絵柄に何となく違和感を覚えた。もともと母親だけが、家族の中で孤立していたのかもしれない。
メリダが「魔法」を実行してしまってから、物語の空気は変わってくる。彼女は逃げ出したいあまり、優しさを失い暴走しているように見える。一方母親は突然可愛らしく見える。他人をコントロールしようとしていた人間が、自分のことで手一杯になると愛らしく感じられるものだ(それはこちらの超・勝手、なんだけど)。二人の「不完全」な部分が露呈することによって、心が揺さぶられる。色々あった後、メリダが母親の助けを借りて、でも強いられてたのとは違うやり方で「女王」になる瞬間にはほろりとしてしまった。


それにしてもピクサーの映画はたまに意識が飛びそうになるくらい、卒が無さ過ぎる。何度か繰り返される「ドタバタ」も見事だし、「謀の対象が部屋に入ってくる時、顔が陰になって見えない」「相棒の馬も成長している(「鬼火」を怖がらなくなる)」なんて、ぐっとくる。子どもたちが夢中になる、おっぱいおばさんのおっぱいパンも印象的だった(笑)
クマに関するとある描写には、「長ぐつをはいたネコ」のそれを思い出しちゃったけど(予告編しか見てないんだけど)、本作の場合、ストーリー上、コミカルな描写の裏に「それ」にのっとられてしまう恐怖がある。画からもそのことが感じられて面白かった。