第172回長崎寄席


柳家おじさん「狸の恩返し」
柳家権太楼「寝床」
 (中入)
松旭斎すみえ(奇術)
柳家権太楼「試し酒」


この寄席も30周年!だそうで、年始は豪華に権太楼独演会。恒例の福引では、私も同居人も揃って「ゆで卵調理器」を当てた(笑)


何度も観てるおじさんは安心の前座さん。近くにいた子どもが大笑いしていた。
次いで上った権太楼は、噺家の年始の話から母親ネタへ。発表会で「藤娘」を踊ったというエピソードにオチを付けた後、「何でも自分でやってるだけならいいのですが」と本編へ。権太楼の「寝床」って実は初めて聴いたけど、その完成度はまさに笑いの兵器、とにかく頭を空っぽにしてくれる。旦那が店の者に小言を言うのに「そういう気配りが仕事につながるんだから」と付け足すのが、年長者という感じでいい。目の前に子どもがいるのに「子どもはいけませんよ!」というくだりをちゃんと演るのも良かった。もっとも「(義太夫は)落語なんかとは違うんだから」という理由なんだけども(笑)


中入後、しばらくCDが流れたまま。紋付袴に着替えた姿で上がり「小さんの出囃子だったから、つい聴き入ってしまって」。簡単な枕を振って本編へ。久蔵が「外へ出て行く」理由(自分が負けたら主人が「損」をすると知り戸惑う)をはっきり述べるバージョンを聴いたのは初めて。四、五杯目はしごくあっさり、このへんに来ると、手をばたばたさせてる久蔵が枝雀に見えた。「試し酒」にしては長丁場の40分以上、全く長さを感じなかった。