シャンハイ



太平洋戦争開戦前夜の上海を舞台にした、アメリカ・中国・日本合作もの。主役の米国諜報部員にジョン・キューザック、その親友の愛人に菊地凛子、中国人裏社会の実力者にチョウ・ユンファ、その妻にコン・リー、彼らの周囲をうろつく日本人将校に渡辺謙


予告編から想像はしてたけど、よくも悪くも、ちょっとした小品という感じ。ジョンキューのナレーションと暗い画面に「真夜中のサバナ」を思い出してた。もっともああいう「何か」はない。ジョンキューの、当時とそう変わらない顔の下にはひどく膨張した体があるけど、親友の死に立ち尽くす場面では昔の彼のようだった。ちなみに同居人は、他にこの役をやるならキアヌかな〜と言っていた(笑)飄々と運よく生き延びる感じは、確かに合ってなくもない。


「ただ親友のために」諜報部員となったアメリカ人ポールと、「大勢が犬死にしてるのに、一つの命なんて」とレジスタンスに身を投じる中国人アンナの人生が「魔都」で交錯する。そして開戦。
渡辺謙の役は「最後に勝つのはいつだって女さ/忘れられるからな/男は騙されてると思っていてもダメ/それが原動力なんだ」などと言ってのける、ちょっとむかつく「ロマンチスト」。とはいえ女に「魅せられ」「翻弄され」る男、という構図ではなく、ジョンキュー演じる主人公も女をちゃんと惹きつけてるのが、観ていて気持ちいい。
ガンアクションについては、最近「復讐捜査線」「この愛のために撃て」のような上等のものを観ていることもあり、どうにものっぺり感じられた。こっち向いて撃ってくるだけ。ただユンファが活躍する場面は面白い。


コン・リー演じる金持ちの妻は、着てみたいと思わされる衣装ばかり身に纏うけど、菊池凛子は、まあそういう役柄なんだけど、寝巻きガウン姿だったり布で覆われたりとぼろぼろ極まりなかった。