立川談笑「千早振る」
立川談笑「錦の袈裟」
(中入)
立川談笑「宮戸川(通し)」
…という演目の並びからは想像できない、「一人ブレンドストーリー」とでもいうような会。「こういう遊びもいいかと」三つの噺をつなげる趣向。面白かった。
海老蔵ネタを少し振ってからまずは「千早振る」。
次いで「与太も皆と一緒に生きてる落語の世界が好き」「中学の頃の与太っぽい同級生の思い出話」を経て「錦の袈裟」へ。与太がのべつまくなし射精しっぱなし…と言ってもどんなだか分からないな(笑)まあいわゆる下ネタって、射精の重みがなければないほど聞きやすく楽しい。印象的だったのは、与太を吉原に送り出すおかみさんの「あんたの相手は大変なんだから、ちょっとでも肩代わりしてもらおう」という台詞。談笑ってよく「古典落語は男尊女卑が前提(だからそうならないよう「翻訳」している)」と言うけど、その立場でこの噺をやるなら、おかみさんの態度はこれがベストだと思う。
「錦の袈裟」が「?」という場面で「後半へ」と終わったと思いきや、中入後は一旦忘れたかのように「宮戸川」へ。昔ながらのヤンキーのお花が可愛い。箱乗りには爆笑してしまった。そのうち先ほどの噺とのつながりが分かり、後半はがらっと変わって本来の「宮戸川」の雰囲気。
いったん下りた幕があがって、シメの挨拶。「いつエンドマークをつきつけられるか分からない、『完成』はないと思ってやっていきます」「私のを聴いて落語は面白くないと思わず、色んな人のを聴いてみてください」などなど。「早すぎるけど」と三本締めで終了。一時間半と短かったけど、充実してた。