イングロリアス・バスターズ



東京国際フォーラムで開催されたジャパン・プレミアにて観賞。
上映前のステージに現れたブラッド・ピットが、「(タランティーノの作品は)脚本通りに演ればキャラクターがちゃんと出来上がる」というようなことを言ってたのが印象的。


それは、これまで裸の上半身を見せびらかして輝いてた男の人が、身体にぴったりしたスーツを着て、袖や胸元から名残の肉体をちらりと見せているような、しぶいけど昔も懐かしいような映画、また、お遊びやB級感覚によって「映画の魔法」が解けてしまいそうな、そんなギリギリの所を味わうような映画だった(似たような印象をデパルマの「ブラック・ダリア」の際に受けた)。



「マカロニ風戦争映画」でありながら、「映画の映画」、それも「映画館の映画」なのが嬉しい。大好きなジョー・ダンテの「マチネー」を思い出した。
おそらく散りばめられてるであろうパロディやオマージュについては知識が無くて分からないけど、セリフに出てくる映画ネタはそのまま楽しめる。少し前に幾つか観た、レニ・リーフェンシュタールの山岳ものが出てきたのが嬉しかった。「たいまつ持って滑ってるのが…」あれか〜と(笑)


アップになったブラッド・ピットの顔の老けぶりにびっくりしたけど、考えたら「ベンジャミン・バトン」でCGによる若返りを見てしまってるからかも。



「どうせ小言をくらって終わりさ、いつもそうなんだ」

 (笑えるシーンやセリフは結構あるけど、何気に可笑しかったのがコレ)


観ながら思い出したのが、サキのとある短編。列車内で退屈している女の子に、主人公が「お城に呼ばれた『とっても良い子』が、たくさん着けてる勲章のせいで狼に食われてしまう」という話をして、母親に嫌がられるというもの。映画には全然関係ないけど、ナチス側の二人がよく勲章をいじってたので頭に浮かんだんだろう。


↓前見つけたこれ、読んでみたい。

映画大臣―ゲッベルスとナチ時代の映画

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