真夏のオリオン


あまりいい意味でなく、こんなに分かりやすい潜水艦映画は初めてだと思った。戦争映画って感じもしなかった。戦争映画と思わなければ結構面白いかも。
でも「椿三十郎」のリメイク版を観たときにも思ったけど(感想)、映画をあまり観ない人にとっては「昔の作品」というだけでとっつきにくいだろうから、面白い作品や題材を現代風に作り直すことには意義がある…って、そうしてどうなるかは分からないから、無責任な物言いだけど。



潜水艦映画好きとしては、映画のほとんどの舞台が艦の内部というのは嬉しかったけど、例えば海上からの視点で、画面に駆逐艦と潜水艦の影がばっちりおさまってるという構図は、ゲームの展開を追ってるみたい。


それから、キーとなる「真夏のオリオン」の譜面が、小学生が描いたようなものなので、出てくるたびに白けてしまった。
映画に出てくる直筆ものって結構気になる。どんな人がどういう状況で記したのか。ふと映画版「HERO」(感想)を思い出した。松たか子のつけてるノートの中身が、いかにも彼女(の演じるキャラクター)らしいものだった(というか、よく見かける感じのキャラクター、よく見かける感じの文字だったというだけか)。スタッフの誰かが書くんだろうけど、そういうときって何か含むところあるものなんだろうか?分業だからたんになぞって書くだけなのかな。「オリオン」の場合はどうだったんだろう。


玉木宏の艦長ぶりや声はなかなか良かった。来月公開の「MW」も、役者だけなら、彼と山田孝之っていうのはいいなあと思うようになった。どっちもキツイ感じ(ちょっと異常な感じ)があるから。