スラムドッグ$ミリオネア


バルト9にて公開初日。



・事前にH.I.S.のオフィシャルツアーの宣伝が流れたけど、この映画を観てインドを訪ねたいと思う人は、何を観たいだろう?ともかく駅はすてきだった。
・正直言ってダニー・ボイルの映画は苦手だ。理由は説明できず、好みじゃないとしか言いようがない。でも面白いかも、と思って観た(いつもそう)。その結果、面白かったけど、心動かされるということはなかった。理由は分からない。
・主人公ジャマールを尋問する警官が、ロブ・シュナイダーに見えてしょうがなかった。
・ジャマールがラティカを探しに行く場面で、インドの売春街を捉えたドキュメンタリー「未来を写した子どもたち」(感想)を思い出した。
・ギャングとなったお兄ちゃんが、苦い別離の後に再会した弟に「もうお前を離さないぞ」などと言うシーンでは、先日試写会で観た「グラン・トリノ」を思い出した。モン族のタオ君が、わるい従姉にしつこく仲間入りを勧められるくだり。ああいうのってアジアっぽい感覚なんだろうか?
・上記のシーンで二人が会うのは、かつて暮らしたスラムの跡に建設中の、高層ビルの中だ。時代が変わる時、弱く貧しい者がまず追い立てられる。しかし人は、自分の居場所を求める。
・作中「クイズ・ミリオネア」について、ラティカは「別の人生を夢見るために観る」と言い、彼女を囲っているギャングのボスは「こんなものは観ない」と言う。ジャマールが最後の質問に臨む回において、国中の至る所で皆(ボスのような人はいないけど)がテレビに張り付く場面は楽しい。私もこの番組の日本版を数回観たことがあるけど、どういう気持ちだったろう?あまり感慨はなかったように思う。
・主人公と兄、ラティカは幼少時・少年期・青年期とそれぞれ3人の役者によって演じられる。幼少時は兄弟の区別が付かず困った。幼いラティカ役の子は、気の強そうな面白い顔立ちだったけど、大人になるとそうでもなくなっている。意図じゃないんだろうけど、色々あって、ああいう顔つきになったんだと思うとしっくりくる。
・ラストシーンでラティカが身に着けているスカーフやその色には、何か意味があるんだろうか?