007/慰めの報酬


バルト9にて先行上映。同じ時間帯の新宿ピカデリーは最前3列しか空いてなかったけど、こちらは結構空いていた。
面白かったから、もう一度観に行くかも。



先週あらためて、前作「カジノ・ロワイヤル」を観ておいた(劇場観賞時の感想)。
「カジノ〜」のボンドガール・ヴェスパーは財務省勤務なのでああいうときは役に立たないけど、今回のカミーユは諜報部員だから、観ていて安心だ。最後のファイトは応援してしまった。


カジノ・ロワイヤル」もそうだったけど、ダニエル・クレイグ版007は「少年と少女」の話だ。昔の007シリーズののんびり感はない。技はあるが情も勢いも抑えないボンドは、特定の女にこだわり、今作では同性とのベタな友情も見せる。それを演じるのがトウのたちまくったダニエル、というのが良い。たまに見せる笑顔が最高だ。少年ダニエルの愛らしさにヤられる人(私)にとっては、前作と同じく面白いということになる。
セクシャルなサービスとしては、ダニエル版の007はカラミでなく男を単体で見せてくるから、女向けである(ベッドシーン?での上目遣いもヤバいけど・笑)。ただし今回は「カジノ〜」の水着や拷問のような分かりやすいシーンはなく(笑)ひたすら「躍動する肉体」を見ることになる。
ボンドガールのオルガ・キュリレンコは、子どもの頃クラスに一人はいたような顔付き。登場時に車から降りたときの長い手脚、少女っぽい口元が魅力的だ(のわりには「ヒットマン」に出てた記憶が全くないけど…)。


同行者は「007を観るんだからウイスキーを…」と事前に買ってたけど、手を付けるタイミングがないようだった。前半はアクションシーンの連続で息付く暇がないし、これまでの作品より展開が早く、ストーリーが細かいため気を抜けない。
冒頭の一幕は、めまぐるしくて観ていて疲れた。このシリーズは全員スーツ姿のことが多いんだから(肌の露出で主人公を見分けられるダイハードやランボーとは違うんだから)、もっと見易くして欲しい…。


ダニエルのキャラクターは、ドアのノックの仕方や殴った相手の後始末(足でエレベータに押し込んだり)など、とにかく所作が乱暴。撮影時はいちいちテンション高めてるのかな、大変だなと思ってしまった。
同時に、今や彼の仕草を見るだけで…たたずまいだけで可笑しい。トイレのドアの取っ手を折る場面では勿論、ラストに暗い部屋で待ち構えてる姿にも笑いが止まらなかった。将来レスリー・ニールセンみたいになってるとこも想像してしまう。


一応の悪役(一応ってのは、次回作に繋がるであろう、さらなる悪玉は他にいるから)マチュー・アマルリックの顔は、ティルダ・スウィントンに似ている。ボンドとの一騎打ちのときの「声」…肉体的弱者が気合いのみで戦う声が最高だった。もしかしてこのシーンが、全編中一番楽しかったかも。同行者は「森田健作を思い出してた」。
彼の最期はカトリーヌ・アルレーの「地獄へのツアー」を思い出させる。だから(その作中人物のように)アレは自分で飲んだんだろう、と思っていたら、同行者にそれはない!と言われた(笑)


今回はMの登場シーンが多く、ダンナの声も聴けたのが嬉しい。美肌師が見たら悲鳴をあげそうなことをやっていた。