幸せになるための27のドレス



プラダを着た悪魔」のスタッフが集結…「プラダ〜」にはがっかりさせられたのと(感想)予告編に惹かれなかったのとで、観ようか迷ってたけど、近所で試写会があったので出かけてきました。写真は展示されていた、27のドレスのうちの一枚で桂由美のもの。
プラダ」より良い意味でラフなかんじが楽しかった(そもそも「プラダ」は主人公のグチりを楽しむ小説で、映像向きじゃないと思う)。予告編は私の好みじゃないところばかり抜き出されてたみたい。
(以下ネタばれあります)


ジェーン(キャサリン・ハイグル)は仕事以外の時間を全て他人の結婚式とその準備に費やす、言うなればプロの「ブライズメイド」。自身の結婚も夢見ているが、思いを寄せる上司のジョージ(エドワード・バーンズ)は妹のテス(マリン・アッカーマン)と恋におちてしまう。そんなおり、結婚記事を手掛けるライターのケビン(ジェームズ・マーズデン)が接近してくる。



ラストのオチと、エンドクレジットが楽しかった。主人公が語る「夢の結婚式」と実際のそれとが、結局は場所も衣装も違っていたのがリアルで良い。相手にさえ満足していれば、カタチはどうあれいいんだなあと。
作中あれだけ重要なポイントだった「振り向いて花嫁を見る花婿の顔」が、相当ぼーっとしてたのが可笑しい。もっとも中盤からジェームズ・マーズデンのサル顔が魅力的に映るようになってしまっていたので、可愛らしく感じられたけど(笑)彼のチャームがなければつまらない作品だったろう。
それにしてもこのシーンに限らず、例えばジョージがテスに求婚する際に箱の中の指輪が曲がっているなど、撮影がずいぶん適当に「見えて」しまった。


日本での宣伝文句は「あなたの物語」。「ノー」と言えないばかりに貧乏くじを引いてしまう、好きな男性に思いも告げられない主人公。私はこういうキャラクターには共感できず、友達になるなら妹や同僚の方だよなあと思ってしまう。最後に妹のテスが「改心」してしまうのにはがっかりした。
主役のキャサリン・ハイグルは(「プラダ」の)アン・ハサウェイを庶民的にしたような顔立ち。長い首に合う、髪型がどれも可愛かった。たまにイッっちゃったような目つきになるのも良い。


この映画は主人公の成長物語だけど、彼女以外は変化しない(彼女自身も、変わったかと言われれば、そうでもない気もする)。とりわけ男性二人は全く変わらない。ジェームズ・マーズデンは主人公にとっての「王子様」の役だからいいとしても、エドワード・バーンズは全くつまらない男にしか感じられず、一度くらいいい味を出してくれるだろうと期待していたのに、何もなく終わってしまい残念だった。



「君のしたことはイカれてるけど、意義があったよ」


「ブライズメイドは花嫁より目立っちゃいけない」
(↑ありがちなセリフだけど、あらためて、全ての女性が同じベクトルの「美」を目指すのがいかにおかしなことであるか実感した・笑)