アレックス・ライダー


東劇にて観賞。面白かった。公開初日だけど台風のせいもあり?人は少なかった。高校生の女の子が一人で来てたけど、アレックス君のファンだったのかな。



14歳のアレックス(アレックス・ペティファー)は、親代わりの叔父(ユアン・マクレガー)の死をキッカケに跡を継いでスパイの道へ。MI6のミスター・ブラント(ビル・ナイ)から命じられた初任務は、IT長者のダリル(ミッキー・ローク)の元への潜入捜査。


アレックス君の面倒を見る家政婦として、絵に描いたようなアメリカン・ガールを演じるのはアリシアシルバーストーン。まずこれが嬉しい。そして悪者ミッキー・ロークの片腕はピンヒールで反り返ったミッシー・パイル!顔は面白いけど有能には見えない(笑)
アリシアとミッシーとのファイト場面はちゃちくて最高だ。しかも日本の食べ物でオチがつく。


冒頭、アレックスが教室で多忙な叔父について語る。それにかぶさる、敏腕スパイ・ユアンの荒唐無稽な活躍シーン(ちなみに乗っているのはBMW)。この時点で「イギリス」を感じる。海岸の風景や007ばりのアクションは勿論、フィクションなんだからとでもいうような多少ラフな雰囲気。アレックス君の顔も、鼻など(よく言えば)ノーブル…(よく言わなければ)間延びしたかんじだし、キメ顔の連続じゃない。でもそこが可愛い。クライマックスでヘリコプターから町を見下ろすシーンでの、風になびく金髪にはちょっと参った。
その後の、ロンドンの川を上っていく映像や、アレックスがMI6への通路を知る駅でのシーンなども、何の変哲もないんだけど雰囲気がある。ビル・ナイのくどい演技も楽しい。後半、ミニミニ大作戦を思い出させるシーンもあった。
加えて、戦争映画…というか男が集団で特訓する映画が大好き、だけど長丁場だと飽きちゃう自分にとっては、さらっと描かれるアレックスの合宿のくだりも楽しかった。途中なぜか、イギリス映画じゃないけど「トップ・シークレット」を思い出した(笑)


「あの子はまだ14歳なのよ」
「だから役に立つんだ」(←ビル・ナイ
この映画は、まだ体の出来上がっていない男の子の、一時期の輝きを楽しむ作品。なんて大げさだけど、「へんなおっさんたちの間(異世界)に放り込まれた少年の活躍」という印象を受けた。苦悩も苦労もないのがいい。エンディングロールでジュブナイルが原作と知り納得。おもちゃ屋さんでのスパイ道具の受け渡しが良かった。


帰宅してから、「大人の科学マガジン蓄音器編」の表紙を見て、同居人も私も、ミッキー・ロークのブルーのアイシャドーに清志郎を思い浮かべていたことを知った。