日記を書く理由


なぜ日記を書いてるのかというと、何かが欲しいから。私はいつも、自分のことを(狭義には、つまり社会的には)役立たずだと思う一方で、(広義には、つまり全体の印象としては)与えるばかりで、何も与えられていないように感じている。私が今以上に求めているものは、お金や言動ではなく、一例を挙げると、誰かが持つ、当人の意思で左右できない性的魅力とかそういうものだ。与えられたと感じさせることは、与える側がコントロールできるものではない。そういうはめになるだけだ。だから、誰かが私から何かを得ているか、私には分からない。私が、与えていると感じていることが問題なのだ。日記を書くことは、一見すると何かをばらまいているようだが、私にとってはそうではない。何かを与えてもらえるかもという気持ちに通じている。そして他人の日記に対しては、息吹を求めている。それこそ句読点の一つに宿る、生きている誰かの呼吸。映画を観ても、音楽を聴いても、本を読んでも、自分のことを書く。自分はそうしたいからそうするし、そういう日記を読みたいと思う。