探偵スルース / 魔笛



「探偵スルース」のリメイク、ちゃんと進んでたんだ(トレイラー)。
私の環境では観られないけど、スチールからして、近代的な邸宅が舞台のよう。オリジナルでは、ローレンス・オリヴィエ演じる老作家の古風な屋敷はオートマタ(自動人形)だらけ。「お昼のロードショー」で初めて観た子どもの頃は、なんて気味悪い…と思ったものだ。ラストシーンもこの人形達に掛かってるけど、リメイクではどうなるのかな?
これは「英国紳士を自負する初老の作家」(オリヴィエ)が「イタリアの血を引くヤサ男」(マイケル・ケイン)に妻を寝取られて怒ったところ、余計に怒られた…というような話だけど、ケイン様vs.ジュード・ロウの今回は、ジュードが「異国の男」側、それとも違う設定になるのかな。


週末は、その「探偵スルース」を手掛けるケネス・ブラナーの「魔笛」を観てきました。
テアトルタイムズシネマにて。スクリーンが大きいのでオペラ映画?には良かったけど、寝不足もあって長丁場中、何度かうとうとしてしまった。面白いとこもあったけど、いかんせんミュージカルは長い〜。



冒頭、広い草原に咲く白い花。それを掴む男の手。大きな花かと思っていたのが、手に比すと意外に小さく、頭がくらっとする。
塹壕から手を伸ばし花を取った兵士タミーノ(ジョセフ・カイザー)は、手帖に挟んで押し花を作る。そのまま音楽に乗り、地下から空中まで、大自然の中での戦闘シーンがワンショットで流れるように描かれる。ここに限らず全篇通して低め目線での俯瞰映像が多く、落ち着かなかった。それこそ「地に足がつかない」もどかしさを感じるから、俯瞰映像の頻繁な使用は苦手。
そういえば、塹壕の蛇のようなウネウネを見た際には、ちょうど頭にあった「探偵スルース」の冒頭に出てくる、ローレンス・オリヴィエ邸の庭園迷路を思い出してしまった。行き着けない迷路の中の仕事場には、彼の人となりが表れている。


オペラのことは知らないので、出演している歌手の皆の顔が興味ぶかかった。
とくに、夜の女王(リューボフ・ペトロヴァ)と、その侍女3人組が良かった。登場から退場まで楽しい。たんなるアップでも「いい顔」だし、女王が戦車を吐くシーンなどは、映画ならではの面白さ。


でも実は、エンディングロールが一番、モーツァルトの音楽を楽しめた…