淀川長治の愛


先日「淀川長治の名画解説」について書いたけど、彼の「それじゃあまた、お会いしましょうね」という言葉を聞くと、心が安らぐ。


文藝春秋の「淀川長治」によると、彼の父親は、結婚したものの子どもができなかったこともあり、30歳下の妻の身内を後妻に迎える。その後、姉二人の下に生まれたのが彼。幼心にキレイな布団で「おじいちゃん」と寝る母親が可哀相で、父親が死んだとき「バンザイ」と思ったそうだ。
(しかし最後には一応、死期の迫った父親のために家を建てるなどしている)
そういうこともあり、家系を絶やすため結婚しないと決めたという。
さらには、晩年のホテル暮らしなどを引き、「一人で生きることの気楽さ」についても語っている。「世界が自分の恋人だと思えるほどあつかましいタイプが一人暮らしにはぴったり」(うろ覚え)とかなんとか。


「また会いましょう」なんて、単純な言葉だけど、自覚を持って一人で生きている人の口から出ると、こんなにも頼りがいがあって、優しく響く。