突然心は山に


運命を分けたザイル」があんまり面白かったんで(先日の感想)、雑誌「山と渓谷」買っちゃった。
山の雑誌に映画コーナーでもあれば、登山家からのおススメポイントが読めるかも…とチェックしてみたら、「実録!奇跡の生還」特集において6ページ分載ってたんで。写真もすてき。
(でも、映画に関しては記述に間違いがあるような…ジョーが宙吊りになったこと、あの時点でサイモンは気付いてなかったよね?)
この記事によると、ジョー(ザイル切られた方)は、この事件の前から、雪崩にあって1キロ流されたり宙吊りで半日ぶらさがったりしながら生き延びており、周りから(ドラマに出てくる不死身の)「キャプテン・スカーレット」と呼ばれていたそう。いっぽう年下のサイモン(ザイル切った方)は、ゴミ溜め場にキャンプしながらデポジット収入や万引きで生計を立てる生活を楽しんでいたとか。そんな二人しての初登山は「傍から見ればハチャメチャな珍道中」であったが、彼等はそれを面白がり、意気投合した(…と書かれている)。
また、その後の人生において、ジョーは著作が多いぶん登山家としてはそれほどでもないが、サイモンの方は「冒険のない人生なんて」…と今でもクライミングに勢を出しているとか。映画に出てきた、現在の二人の顔を思い出すと、なんだか面白い。
その他の記事「ミニヤコンカ奇跡の生還」は私も知ってる。この事件の松田さんが動けなくなったときの幻聴は「北国の春」だそうで、「運命を分けた〜」のジョーは(本人いわく「全然好きじゃない」)「栗色の髪の少女」だったわけだけど、もし私なら、何が鳴り響くんだろう…

ミニヤコンカ奇跡の生還 (yama‐kei classics)

ミニヤコンカ奇跡の生還 (yama‐kei classics)

ちなみに雑誌全体の印象としては、求人が結構あるんだなあと。山小屋の人手だけでなく、山の中のお医者さんが看護師さん探してたり、色々。


原作「死のクレバス アンデス氷壁の遭難」の取り寄せ頼んだら、
店「あ、岩波のですね。先日も注文ありました」
私「注文されてる方、結構いらっしゃるんですか?」
店「何人かいますよ。いま映画やってるそうで…面白そうですよね」
私「観てきたけど、面白かったですよ〜」
あと「山でウンコをする方法」という本が以前から気になってたんで、アウトドアついでに取り寄せてもらおうかと思ったんだけど、「ウンコ」と言うのが恥ずかしくって、注文できなかった…


ついでに森村誠一の「密閉山脈」(ASIN:4041365155)まで買ってしまった。昔読んで、面白かったんで…
私は、殺人やら何やらが起こる舞台が自分の環境に近いと、読んでて気が散ってしまうんで、推理小説は、外国モノや、日本のなら古いものばかり読んでしまう。森村誠一は叙情的すぎるんで(出来事以外の描写がやたら多いんで)、もし舞台が現代なら…つまり近作なら、全然集中できないだろうと思われるのですが、ひと昔前に書かれたものは面白く読んでます。
「密閉山脈」は、恋に破れた美女が自殺を試みる→山男二人組が救助→一方と愛し合い婚約→しかし彼は山で死亡…というセンチメンタルな話。登山が「都会の男」の贅沢な趣味、というくだりがあるんで、そういう時代だったんだなあと(71年作)。その他、山では親密な口調だったのが、下山して電車に乗るころには敬語になるという描写など、へーと思いつつ読みました。